細菌に対する自然免疫の機能で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
細菌に対する補体系の活性化は、主に自然免疫経路である第二経路(Alternative pathway)またはレクチン経路(Lectin pathway)によって進行します。古典経路は主に抗体-抗原複合体によって活性化されるため、獲得免疫が関与します。
選択肢ごとの解説
- 1. Toll様受容体(TLR)は、自然免疫において病原体関連分子パターン(PAMPs)を認識し、細菌の構成要素(リポ多糖、ペプチドグリカンなど)を感知することで、免疫応答を活性化します。選びやすい理由:TLRが自然免疫の主要なレセプターであることを知っているため、正しい記述と判断しやすい。混同注意:TLRが認識する分子(PAMPs)の種類。
- 2. 正解。細菌に対する補体系の活性化は、主に自然免疫経路である第二経路(Alternative pathway)やレクチン経路(Lectin pathway)によって進行します。古典経路は主に抗体-抗原複合体によって活性化されるため、この記述は適切ではありません。正しくは:補体系の活性化は、主に第二経路およびレクチン経路によって進行する。選びやすい理由:補体系の存在は知っていても、古典経路が主に獲得免疫(抗体)を介して活性化される点を見落としやすい。または、補体系の複数の経路の区別が曖昧な場合に選びやすい。混同注意:補体の古典経路と第二経路(代替経路)、レクチン経路のそれぞれの活性化因子。
- 3. 好中球は自然免疫の主要な食細胞であり、血管内から感染部位へ遊走(migration)して細菌を貪食し排除します。これは炎症反応の一部です。選びやすい理由:好中球が感染防御の最前線で働くことを知っているため、正しい記述と判断しやすい。混同注意:マクロファージや樹状細胞など他の食細胞の機能。
- 4. 粘膜上に分泌される粘液には、リゾチームやディフェンシンなどの抗菌物質が含まれており、細菌の付着を妨げたり、直接殺菌作用を示したりすることで、物理的・化学的バリアとして機能し、抗菌作用を持ちます。選びやすい理由:粘膜バリアが自然免疫の重要な要素であることを知っているため、正しい記述と判断しやすい。混同注意:粘膜の物理的バリア機能と化学的バリア機能の区別。
- 5. 樹状細胞は抗原提示細胞(APC)として機能し、貪食した細菌などの抗原をT細胞に提示することで、自然免疫と獲得免疫を結びつける重要な役割を果たします。選びやすい理由:樹状細胞が免疫応答において非常に重要な細胞であることを知っているため、正しい記述と判断しやすい。混同注意:マクロファージやB細胞など他の抗原提示細胞との機能の違い。
国試ポイント
自然免疫と獲得免疫の構成要素および活性化経路の違いを理解する。
混同注意
補体の古典経路と第二経路(またはレクチン経路)の活性化因子の違い。
次に同じ論点が出たら
細菌に対する生体防御機構に関する問題で、補体系の活性化経路に言及がある場合、自然免疫応答における経路(第二経路、レクチン経路)か、獲得免疫応答における経路(古典経路)かを区別して判断する。
関連知識
自然免疫の構成要素(TLR、補体、食細胞、NK細胞、粘膜バリアなど)と、獲得免疫の構成要素(B細胞、T細胞、抗体など)をそれぞれ覚える。