過酸化水素・ペルオキシダーゼ系呈色反応で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
過酸化水素-ペルオキシダーゼ系呈色反応は、過酸化水素と発色剤がペルオキシダーゼの触媒作用によって反応し、有色物質を生成するものです。この反応の感度は、使用する発色剤の種類(モル吸光係数の違い)、発色剤や酵素の濃度、反応時間、反応温度といった条件を調整することで変化させることが可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. 過酸化水素-ペルオキシダーゼ系では、酸化還元反応に関わるペルオキシダーゼ(EC 1.11.1.7)が主に使用されます。脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ、EC 1.1.1.- など)は、基質から水素を引き抜き、NAD(P)+などを還元する酵素であり、この呈色反応の主たるメカニズムではありません。正しくは:ペルオキシダーゼが反応に用いられる。選びやすい理由:酵素反応であるため、多くの酵素の名称を混同しやすい。特に、臨床検査でよく使われる酵素の一つとして脱水素酵素を連想する可能性がある。混同注意:脱水素酵素は多くの分析法(例:乳酸デヒドロゲナーゼによる乳酸測定など)で用いられるが、過酸化水素-ペルオキシダーゼ系とは異なる。
- 2. 340nmは、NADHやNADPHが酸化される際に吸収が減少したり、還元される際に吸収が増加したりする波長であり、多くの酵素活性測定(特に脱水素酵素反応)で利用されます。過酸化水素-ペルオキシダーゼ系呈色反応では、通常、色素の酸化によって生じる着色物質の最大吸収波長(例:Trinder反応ではキノンイミン色素の500~600nm付近)で測定されます。正しくは:測定波長は500~600nm程度の可視光領域に設定される(色素の種類による)。選びやすい理由:340nmは臨床検査における酵素測定で非常によく使われる波長であるため、一般的な知識として正しいと誤認しやすい。混同注意:NADH/NADPHを指標とする測定法(紫外領域)と、呈色色素を指標とする測定法(可視領域)の区別。
- 3. 過酸化水素-ペルオキシダーゼ系呈色反応は、多くの場合、無色の発色剤が過酸化水素によって酸化され、ペルオキシダーゼを触媒として有色の物質を生成することで吸光度が増加する反応です。したがって、吸光度の増加量を測定します。正しくは:吸光度の増加量を測定する方式である。選びやすい理由:酵素反応の中には、NADHの減少を測定することで吸光度の減少を追うものもあるため、これも正しいと誤解される可能性がある。混同注意:吸光度増加を測定する発色反応と、吸光度減少を測定する退色反応やNADH/NADPH消費反応との混同。
- 4. 過酸化水素-ペルオキシダーゼ系呈色反応は、特にTrinder反応において、共存する還元性物質(アスコルビン酸、ビリルビン、尿酸など)による妨害を受けやすいことが知られています。これらの物質は、生成される色素の酸化反応を阻害したり、過酸化水素を消費したりすることで、測定値に負の誤差を与える可能性があります。正しくは:共存物質(還元性物質など)の影響を受けやすい。選びやすい理由:一般的に、酵素法は特異性が高いとされるため、他の物質の影響を受けにくいと誤解されがちである。混同注意:酵素法の一般的な特異性と、特定の発色反応における妨害物質への感受性との区別。
- 5. 正解。過酸化水素-ペルオキシダーゼ系呈色反応において、用いられる発色剤(カップリング試薬)の種類や濃度、ペルオキシダーゼの活性、反応時間、反応温度などを変更することで、生成される色素の量や反応速度を調整し、分析感度を変化させることができます。特に、発色剤の選択は感度に大きく影響します。
国試ポイント
過酸化水素-ペルオキシダーゼ系呈色反応の基本的な原理と特徴(使用酵素、測定波長、吸光度変化の方向、妨害物質、感度調整の可能性)を問う問題です。他の一般的な酵素法との違いを理解しているかが重要となります。
混同注意
他の酵素法の特性(特に脱水素酵素を用いた測定法やNADH/NADPHを指標とする測定法)と混同しやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回、この論点が出題された場合、具体的な発色剤の種類とそれが生成する色素の色や最大吸収波長、あるいは特定の妨害物質とそのメカニズムについて、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
Trinder反応、酵素法における妨害物質(アスコルビン酸、ビリルビンなど)、測定波長の選定、吸光度測定の原理、酵素反応速度論。