自動分析装置を用いる二波長法で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
二波長法における主波長は、目的物質の吸収極大波長に設定するのが原則です。これは、目的物質の濃度変化に対する吸光度変化が最も大きくなり、測定感度が最大となるためです。副波長は、共存物質の影響を打ち消す目的で設定されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 二波長法では、同一光路で異なる2つの波長の光を測定し、その吸光度差を求めるため、光源の光量変動やキュベットの汚れによる測定誤差を自動的に補正する効果があります。選びやすい理由:正しい記述のため、誤りである選択肢を探す問題では選ばれにくい。混同注意:単波長法では光量変動の補正が難しい点との比較。
- 2. 二波長法は、目的物質の吸収極大波長(主波長)と、目的物質がほとんど吸収せず、妨害物質が吸収する波長、あるいは目的物質と妨害物質の吸収特性が異なる波長(副波長)の吸光度の差を測定原理としています。選びやすい理由:二波長法の定義そのものであるため、正しい記述と判断しやすい。混同注意:分光光度計の一般的な吸光度測定原理。
- 3. 試料の濁り(散乱光)は、幅広い波長域で吸光度を増加させます。二波長法では、主波長と副波長で濁りによる吸光度増加がほぼ同程度であると仮定できる場合、その差を測定することで濁りの影響を相殺し、測定誤差を軽減できます。選びやすい理由:二波長法の大きな利点の一つであるため、正しい記述と認識しやすい。混同注意:濁度測定の方法とは異なる、濁りによる誤差を補正する機能。
- 4. 試薬ブランクの影響(試薬自体の吸光度や経時変化による吸光度変化)は、二波長法を用いることで補正可能です。試薬ブランクの吸光度も主波長と副波長でほぼ同じ変化を示す場合が多いため、その差を取ることで影響を打ち消すことができます。選びやすい理由:これも二波長法の重要な利点であるため、正しい記述と認識しやすい。混同注意:ブランク値の測定が別途必要な他の測定方法。
- 5. 正解。主波長は、目的物質の吸収が最も大きくなる吸収極大波長に設定するのが一般的です。これにより、測定感度が最大となり、目的物質の濃度変化に対する吸光度変化を最も効率よく捉えることができます。短い波長側に設定すると感度が低下し、測定精度が損なわれます。正しくは:主波長は、目的物質の吸収極大波長に設定するのが一般的です。選びやすい理由:波長設定の組み合わせが複数あるため、主波長と副波長の役割や、それぞれの適切な設定位置を混同しやすい。特に、副波長が目的物質の吸収が少ない波長に設定されることから、「短い波長」という記述がどこかに関連すると感じてしまう。混同注意:副波長の設定(目的物質の吸収が少ない、または妨害物質の吸収がある波長)や、特定の物質が吸収極大を持つ波長領域(例えば、タンパク質が紫外線領域に吸収極大を持つなど)に関する知識。
国試ポイント
自動分析装置における二波長法の原理と利点、そして各波長の適切な設定について理解すること。
混同注意
二波長法の主波長と副波長の役割や設定基準、特に主波長を吸収極大に設定する理由と、副波長が共存物質や濁りの補正に使われる点を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
二波長法の主波長と副波長の適切な設定(主波長は目的物質の吸収極大、副波長は妨害物質の吸収極大または吸収がほとんどない波長)が記述されているかを確認する。
関連知識
吸光度測定の基本原理(Beer-Lambertの法則)、単波長法との比較、生化学検査における妨害物質(ヘモグロビン、ビリルビン、脂質など)の影響とその補正方法。