グルクロン酸抱合の不良により間接ビリルビンが増加するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Gilbert症候群は、遺伝性のUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)活性低下により、肝臓でのビリルビン抱合(グルクロン酸抱合)能力が不十分となるため、非抱合型ビリルビン(間接ビリルビン)が血中に蓄積し、間接ビリルビン優位の黄疸を呈します。
選択肢ごとの解説
- 1. 閉塞性黄疸では、主に直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)の排泄が胆道閉塞によって妨げられるため、直接ビリルビンが増加します。正しくは:閉塞性黄疸では、直接ビリルビンが増加する。選びやすい理由:黄疸という点でビリルビン代謝異常を想起させるが、直接ビリルビンが主である。混同注意:間接ビリルビン優位の黄疸と直接ビリルビン優位の黄疸の違い。
- 2. 溶血性貧血では、赤血球の過剰な破壊により、間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)が肝臓での処理能力を超えて大量に産生されるため増加します。グルクロン酸抱合そのものの機能不全ではありません。正しくは:溶血性貧血では、ビリルビン産生量の増加により間接ビリルビンが増加する。選びやすい理由:間接ビリルビンが増加する疾患であるため、迷いやすい。混同注意:ビリルビン産生亢進による間接ビリルビン増加と、抱合能障害による間接ビリルビン増加の違い。
- 3. 正解。Gilbert症候群は、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の活性低下により、肝臓でのビリルビン抱合能が部分的に障害されるため、間接ビリルビンが増加します。これは、グルクロン酸抱合の不良が直接の原因です。選びやすい理由:特になし。これが正答である。
- 4. 急性ウイルス性肝炎では、肝細胞の広範な障害により、ビリルビン抱合能と排泄能の両方が低下するため、間接ビリルビンと直接ビリルビンの両方が増加する混合型黄疸を示すことが多いです。抱合能の単独不良が主な原因ではありません。正しくは:急性ウイルス性肝炎では、肝細胞障害により直接および間接ビリルビンの両方が増加する。選びやすい理由:肝臓の疾患であるためビリルビン代謝異常を想起させるが、グルクロン酸抱合の単独不良ではない。混同注意:抱合能障害と排泄能障害、およびその両方が起こる疾患の違い。
- 5. Dubin-Johnson症候群は、肝細胞から胆汁中への直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)の排泄障害が原因で、主に直接ビリルビンが増加します。グルクロン酸抱合能自体は正常です。正しくは:Dubin-Johnson症候群では、直接ビリルビンの排泄障害により直接ビリルビンが増加する。選びやすい理由:肝臓でのビリルビン代謝異常を示す疾患であり、Gilbert症候群と並んで先天性黄疸として知られているため、混同しやすい。混同注意:グルクロン酸抱合能の障害(間接ビリルビン優位)と、抱合後のビリルビン排泄障害(直接ビリルビン優位)の違い。
国試ポイント
間接ビリルビンが増加する疾患において、その原因が『グルクロン酸抱合の不良(肝臓での抱合能低下)』であるかどうかが問われています。ビリルビン代謝の各段階(産生、抱合、排泄)と、それに関連する主要な疾患を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
間接ビリルビンが増加する他の疾患(溶血性貧血など)や、直接ビリルビンが増加する疾患(閉塞性黄疸、Dubin-Johnson症候群など)、あるいは両方が増加する疾患(急性肝炎など)と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず「間接ビリルビンが増加する」という条件に着目し、次にその原因が「抱合能の低下」であるか「産生亢進」であるかを確認する。その上で、各疾患の病態生理を正確に思い出して選択肢を絞り込む。
関連知識
ビリルビンの代謝経路(ヘム→間接ビリルビン→肝臓でグルクロン酸抱合→直接ビリルビン→胆汁排泄)と、各段階で異常をきたす先天性および後天性疾患(Crigler-Najjar症候群、Rotor症候群などを含む)の鑑別。特に、間接ビリルビン優位か直接ビリルビン優位かの判断基準。