間接(受身)凝集反応で検出できないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Donath-Landsteiner抗体は二相性溶血素であり、赤血球を低温で感作させ、その後の昇温で溶血を引き起こす作用を持ちます。この抗体の検出には特異的な溶血反応(Donath-Landsteiner試験)が用いられ、抗原感作粒子を凝集させる間接凝集反応とは検出原理が異なります。他の選択肢の抗体は、それぞれ対応する抗原を感作させた粒子(例:ラテックス粒子、ゼラチン粒子、赤血球など)を用いることで、間接凝集反応によって検出することが可能です。
選択肢ごとの解説
- 1. HBs抗体はB型肝炎ウイルス感染後の免疫やワクチン接種の効果判定に用いられ、ラテックス凝集法などの間接凝集反応で検出されることが一般的です。選びやすい理由:ELISA法などの他の免疫学的検査法の印象が強いかもしれませんが、間接凝集反応も検出手段として広く用いられます。混同注意:ELISA法などの他の免疫学的検査法と混同することがあります。
- 2. HCV抗体はC型肝炎ウイルスの感染スクリーニングに用いられ、抗原を感作した粒子を用いた間接凝集反応(例:粒子凝集法)で検出可能です。選びやすい理由:HBs抗体と同様に、他の検査法(特にELISA)の印象が強いかもしれませんが、間接凝集反応も適用可能です。混同注意:ELISA法やウェスタンブロット法など、HCV抗体検出に用いられる複数の検査法が混同される可能性があります。
- 3. HTLV-1抗体はHTLV-1感染の診断に用いられ、ゼラチン粒子凝集法やラテックス凝集法などの間接凝集反応で検出されるスクリーニング検査として広く利用されています。選びやすい理由:HTLV-1に関する知識が不足していると、どの検査法が用いられるか判断に迷うかもしれません。混同注意:他のウイルス感染症の抗体検出法と区別がつきにくい場合があります。
- 4. マイコプラズマ抗体(特にMycoplasma pneumoniaeに対する抗体)は、赤血球凝集素(寒冷凝集素)の測定や、マイコプラズマ抗原を感作した粒子を用いた間接凝集反応で検出されることがあります。選びやすい理由:マイコプラズマ関連の検査として寒冷凝集素(赤血球凝集)のイメージが強いかもしれませんが、間接凝集反応も適用可能です。混同注意:寒冷凝集素検査(赤血球凝集)と直接混同することはないが、間接凝集反応というカテゴリに含めることができるかどうかの判断に迷う可能性があります。
- 5. 正解。Donath-Landsteiner抗体は発作性寒冷ヘモグロビン尿症の原因となる自己抗体で、赤血球を低温で感作させ、その後37℃に戻すことで溶血を引き起こす「Donath-Landsteiner試験(二相性溶血試験)」によって検出されます。これは溶血反応であり、抗原粒子を凝集させる間接凝集反応とは原理が異なります。選びやすい理由:抗体であり、赤血球が関与するため、凝集反応の一種と誤解する可能性があります。混同注意:間接クームス試験(間接抗グロブリン試験)など、赤血球を用いる他の検査法や、溶血反応と凝集反応の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
国試ポイント
間接(受身)凝集反応の原理と、それがどのような抗体(または抗原)の検出に適用されるかを理解しているか、また、凝集反応と溶血反応といった異なる免疫学的検査法の原理を区別できるかを問うています。特に、Donath-Landsteiner抗体が関与する検査が溶血反応であることを把握しているかが重要です。
混同注意
直接凝集反応と間接凝集反応の区別、凝集反応と溶血反応の区別、間接抗グロブリン試験(間接クームス試験)など、関連する検査法との混同が起こりやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まず問われている検査法の原理(凝集、溶血、沈降など)を正確に理解し、次に各選択肢の対象(抗体または抗原)がその原理で検出可能か不可能か、そしてどのような特異的な検査法が存在するかを判断する必要があります。特に、抗体が引き起こす現象(凝集か溶血か)の区別が重要です。
関連知識
免疫学的検査法の基本的な原理(凝集、沈降、溶血、酵素免疫測定など)、各検査法が検出する対象と臨床的意義、B型肝炎、C型肝炎、HTLV-1感染症、マイコプラズマ感染症、発作性寒冷ヘモグロビン尿症といった疾患と関連する検査について理解が必要です。