不規則抗体について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
不規則抗体の中で、IgGクラスの抗体は胎盤を通過し、37℃の体温で反応するため、輸血による遅発性溶血性輸血副作用や新生児溶血性疾患の主要な原因となります。そのため、臨床的に最も重要視されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 不規則抗体は、輸血歴がなくても妊娠歴や薬剤投与などによって産生されることがあります。そのため、輸血歴がない場合でも検査は必要です。正しくは:輸血歴がない場合でも、不規則抗体検査は必要となることがあります。選びやすい理由:輸血が不規則抗体産生の主要な原因の一つであるため、輸血歴がないと関連性が低いと感じるかもしれません。混同注意:「輸血副反応の予防」という文脈で考えすぎると、輸血歴がないと不要と誤解しやすいため、妊娠や自己免疫疾患との関連性を混同する可能性があります。
- 2. 正解。IgGクラスの不規則抗体は胎盤を通過し、また体温で反応するため、輸血副作用や新生児溶血性疾患の原因となることが多く、臨床的に重要です。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:この選択肢は正しい記述です。混同注意:IgM抗体との違いを理解しているかがポイントです。IgM抗体は主に生理食塩液法で検出され、通常体温では反応せず、胎盤通過性もありません。
- 3. 酵素法は、酵素処理により抗原が破壊されるMNSs血液型やDuffy血液型などの抗体の検出には適していません。Rh抗体やLewis抗体の検出に適しています。正しくは:酵素法は、Rh血液型やLewis血液型に対する抗体の検出に適していますが、MNSs血液型やDuffy血液型に対する抗体は検出できません。選びやすい理由:酵素法が抗体検出の一つの方法であるため、どの抗体にも適用できると誤解する可能性があります。混同注意:各血液型抗原に対する検出法の特性(生理食塩液法、間接抗グロブリン法、酵素法、冷却法など)とその検出感度を混同する可能性があります。
- 4. 生理食塩液法は、主に完全抗体であるIgMクラスの抗体を検出する方法です。IgGクラスの抗体(不完全抗体)は間接抗グロブリン法で検出されます。正しくは:生理食塩液法は、主にIgMクラスの抗体を検出する方法です。選びやすい理由:抗体検出法の一つであるため、抗体全般を検出できると誤解する可能性があります。混同注意:IgM抗体とIgG抗体の検出方法(生理食塩液法 vs. 間接抗グロブリン法)を混同する可能性があります。
- 5. 不規則抗体スクリーニングでは、D抗原以外のC、c、E、eなどのRh血液型抗原に対する抗体も検出されます。Rh血液型はD抗原だけでなく、C/cやE/e抗原も臨床的に重要です。正しくは:D抗原以外のRh血液型抗原に対する不規則抗体も検出されます。選びやすい理由:Rh血液型の中でD抗原が最も免疫原性が高いため、D抗原以外の抗体が検出されにくい、あるいは重要度が低いと考えるかもしれません。混同注意:Rh式血液型の全体像と、D抗原以外の抗原の臨床的意義を混同する可能性があります。
国試ポイント
不規則抗体の種類(IgM/IgG)、検出方法(生理食塩液法/間接抗グロブリン法/酵素法)、およびそれぞれの臨床的意義について正確に理解しているかが問われています。特にIgG抗体の重要性と、各検出法の特性(どの抗体を検出できるか、どの抗原が破壊されるか)が重要です。
混同注意
不規則抗体の分類(IgG/IgM)、各検出法の原理と適応、そして各血液型抗原とそれに対する抗体の特徴を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、IgG抗体の生理学的特性(胎盤通過性、37℃反応性)と、それが輸血医療や周産期医療においてなぜ重要なのかを確認すると良いでしょう。また、IgM抗体との比較で、低温反応性や補体結合能についても注意が必要です。
関連知識
血液型検査、交差適合試験、輸血副作用、新生児溶血性疾患の病態生理、各種抗体検出法の具体的な手順と感度、各血液型システム(Rh、MNSs、Lewis、Duffyなど)の免疫原性と臨床的意義。