輸血副作用と原因の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
輸血関連急性肺障害(TRALI)は、輸血された血液製剤中の抗白血球抗体が患者の白血球に結合し、肺毛細血管内で活性化を引き起こすことで、肺血管透過性が亢進し非心原性肺水腫を呈する重篤な副作用です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝炎の主な原因はウイルス感染(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど)であり、輸血製剤中のリンパ球が原因ではありません。正しくは:肝炎の原因は主にウイルス(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)です。選びやすい理由:過去に輸血後肝炎が問題となった歴史的背景があり、輸血と肝炎が結びつきやすいかもしれませんが、現在の検査体制では非常に稀です。混同注意:リンパ球が関与する輸血副作用としては輸血後GVHDが挙げられますが、肝炎とは直接関係ありません。
- 2. 血管内溶血の主な原因は、患者の抗体(特にABO不適合における抗A抗体、抗B抗体)が輸血された赤血球を攻撃することです。輸血製剤中の補体が直接的な原因ではありません。補体は抗原抗体反応によって活性化される因子であり、溶血の「結果」として関与します。正しくは:血管内溶血の主な原因は、患者の血液中の抗体(特にABO血液型不適合抗体)が輸血された赤血球を破壊することです。選びやすい理由:補体は溶血反応において重要な役割を果たすため、原因として選びやすいかもしれません。混同注意:補体は溶血反応の機序の一部ですが、直接の原因となる抗体と混同しやすいです。
- 3. 輸血後GVHD(移植片対宿主病)の主な原因は、輸血された製剤中のリンパ球(T細胞)が患者の組織を攻撃することです。不規則抗体は溶血性輸血反応(遅発性溶血性輸血反応など)の原因となります。正しくは:輸血後GVHDの主な原因は、輸血製剤中のリンパ球(T細胞)です。不規則抗体は溶血性輸血反応の原因となります。選びやすい理由:不規則抗体が輸血による免疫反応に関連するため、輸血後GVHDと関連付けてしまいやすいかもしれません。混同注意:不規則抗体が関与する輸血副作用(遅発性溶血性輸血反応)と、リンパ球が関与する輸血後GVHDを混同しやすいです。
- 4. 循環過負荷(TACO)の主な原因は、急速な輸血や過剰な輸血による循環血液量の増加です。抗内皮細胞抗体は、自己免疫疾患や移植拒絶反応などに関与する可能性はありますが、TACOの直接的な原因ではありません。正しくは:循環過負荷(TACO)の主な原因は、輸血速度が速すぎたり、輸血量が多すぎたりすることによる循環血液量の急激な増加です。選びやすい理由:抗体による免疫反応が様々な輸血副作用の原因となるため、この選択肢も関連があるように感じられるかもしれません。混同注意:TACOはTRALIと症状が似ていますが、機序は異なります。抗内皮細胞抗体は他の免疫関連疾患と関連が深く、TACOとは関連がありません。
- 5. 正解。TRALIは、輸血されたドナーの血液中に存在する抗白血球抗体(特に抗HLA抗体や抗好中球抗体)が、患者の白血球と反応し、肺毛細血管内皮を傷害することで引き起こされる重篤な副作用です。選びやすい理由:(正答なので選びやすい)混同注意:TRALIとTACOは臨床症状が類似するため、鑑別が重要です。
国試ポイント
輸血副作用の種類と、その主な原因となる成分の組み合わせを正確に理解することが重要です。
混同注意
TRALIとTACO(輸血関連循環過負荷)は症状が類似しているため混同しやすいですが、機序が異なります。TRALIは抗体による免疫反応、TACOは循環量増加による心原性肺水腫です。
次に同じ論点が出たら
輸血副作用の問題が出た場合は、まず症状からおおよその副作用を絞り込み、次に選択肢の原因物質がその副作用の機序と合致するかを確認します。
関連知識
溶血性輸血副作用はABO式血液型不適合による抗A抗体や抗B抗体、遅発性輸血反応は不規則抗体によることが多いです。輸血後GVHDは免疫抑制状態の患者への非放射線照射製剤輸血で生じます。