交差適合試験の主試験が陽性になる原因はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
交差適合試験の主試験は、受血者の血漿中に、輸血される供血者の赤血球と反応する抗体(主に不規則抗体やABO型不適合による抗体)が存在しないかを確認する目的で行われます。したがって、受血者が供血者赤血球に対する不規則抗体を持っている場合、または受血者と供血者のABO血液型が異なる場合、主試験は陽性反応を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 交差適合試験の主試験は、受血者の血漿(抗体)と供血者の赤血球(抗原)を反応させるものです。受血者自身の赤血球の汎凝集は、主試験の試薬と供血者赤血球の反応には直接影響しません。正しくは:受血者の血漿中に、供血者の赤血球と反応する抗体が存在することが主試験陽性の原因です。選びやすい理由:輸血関連の凝集反応であるため、一見すると関係がありそうに思えるかもしれません。また、患者赤血球の自己凝集は輸血検査で重要な所見であるため、関連づけて選択してしまう可能性があります。混同注意:受血者の血漿中の不規則抗体による凝集反応(主試験陽性の原因)と、受血者自身の赤血球が持つ特性(汎凝集)を混同する可能性があります。
- 2. 直接抗グロブリン試験(DAT)は、患者の赤血球表面にすでに結合している抗体や補体を検出する試験です。主試験は受血者の血漿中の抗体が供血者赤血球に反応するかを見るものであり、受血者の赤血球に結合している抗体(DAT陽性)が直接主試験の陽性原因となるわけではありません。正しくは:主試験は、受血者の血漿中の抗体が供血者赤血球を凝集させるかどうかを評価するものです。選びやすい理由:直接抗グロブリン試験も輸血関連検査の重要な項目であり、抗体と関連するため、主試験と混同しやすい可能性があります。混同注意:DATは受血者の赤血球がすでに抗体感作されている状態を示しますが、主試験は受血者の血漿中の遊離抗体が供血者赤血球と反応するかを見る検査であり、対象が異なります。
- 3. 正解。交差適合試験の主試験は、受血者の血漿と供血者の赤血球を混合し、凝集の有無を確認します。受血者の血漿中に供血者赤血球が持つ抗原に対する不規則抗体が存在する場合、その抗体が供血者赤血球と反応して凝集を起こし、主試験は陽性となります。
- 4. 交差適合試験の主試験は、受血者の血漿と供血者の赤血球を反応させる試験です。供血者の血漿は主試験の対象ではありません(通常、輸血される赤血球製剤は血漿成分をほとんど含まないため)。したがって、供血者が不規則抗体を保有していても、それが主試験の結果に直接影響を与えることはありません。正しくは:主試験は、受血者の血漿中の抗体と供血者の赤血球抗原の反応を見るものです。供血者側の不規則抗体が問題となるのは、輸血される血漿成分に含まれる場合ですが、主試験の評価対象ではありません。選びやすい理由:「不規則抗体」というキーワードが輸血検査で非常に重要であるため、これが原因となるという誤解が生じやすいです。主試験と副試験の違いを曖昧に理解していると、選択してしまう可能性があります。混同注意:主試験(受血者の血漿 vs 供血者の赤血球)と副試験(受血者の赤血球 vs 供血者の血漿)の目的と対象を混同する可能性があります。
- 5. 正解。ABO血液型が不適合な場合、例えば受血者がA型で供血者がB型の場合、受血者の血漿中には抗B抗体が存在します。この抗B抗体が供血者B型の赤血球と反応して強い凝集を起こすため、主試験は陽性となります。ABO型不適合は最も重篤な輸血副作用の原因となるため、交差適合試験で必ず検出されなければなりません。
国試ポイント
交差適合試験の主試験と副試験の目的、それぞれの試験で検出される抗体や不適合の種類を正確に理解しているかが問われています。特に、どの成分(患者側・供血者側、血漿・赤血球)が反応するかを把握することが重要です。
混同注意
主試験と副試験で反応する要素(患者血漿 vs 供血者赤血球、患者赤血球 vs 供血者血漿)の混同。直接抗グロブリン試験(DAT)と交差適合試験の目的の混同。汎赤血球凝集反応が主試験の結果に直接影響するかどうかの判断。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、交差適合試験だけでなく、不規則抗体スクリーニングや直接抗グロブリン試験など、他の輸血前検査それぞれの目的と、どの成分(患者/供血者の血漿/赤血球)を用いるかを明確に区別して理解しているかを確認しましょう。特に、輸血副作用の原因とそれらを検出する検査の関連性を深く学ぶことが重要です。
関連知識
交差適合試験の原理(主試験と副試験)。ABO血液型不適合と不規則抗体による輸血反応のメカニズム。直接抗グロブリン試験(DAT)と間接抗グロブリン試験(IAT)の意義。不規則抗体スクリーニングと同定の重要性。輸血前検査の一連の流れ。