ABO・RhD血液型検査のカラム凝集像(別冊No. 16)を別に示す。必要な追加検査はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
カラム凝集法によるRhD型検査で凝集が弱い、または明確でない場合は、弱D(D抗原弱発現型)や部分Dの可能性を考慮し、間接抗グロブリン試験を用いたD陰性確認試験(弱D確認試験)を行う必要があります。これは、輸血の際にD陰性患者へのD陽性血輸血を避けるために非常に重要な検査です。
選択肢ごとの解説
- 1. スライド法は迅速な確認には使用されますが、カラム凝集法で判定困難なD抗原弱発現型や部分D型の精査には適していません。正しくは:D抗原弱発現型や部分D型の精査には、弱D確認試験(間接抗グロブリン試験)が必要です。選びやすい理由:簡易的な検査法であるため、追加検査として検討されそうに思えるかもしれませんが、本問のような精密な判定を要する場合には不適切です。混同注意:微量凝集や凝集の疑いがある場合に、目視で確認する簡易的な方法と混同する可能性があります。
- 2. 抗体解離試験は、赤血球に吸着した抗体を解離させ、その特異性を調べる検査であり、輸血後や自己免疫性溶血性貧血などで陽性となる直接抗グロブリン試験の精査に用いられます。本問のRhD型判定の追加検査としては不適切です。正しくは:D抗原弱発現型や部分D型の確認には、弱D確認試験(間接抗グロブリン試験)が必要です。選びやすい理由:「抗体」という言葉から、何らかの抗体に関する追加検査として選択肢に入りやすいかもしれませんが、目的が異なります。混同注意:直接抗グロブリン試験が陽性だった場合の精査と混同する可能性があります。
- 3. 正解。カラム凝集法によるRhD型検査において、D抗原の凝集が弱い、あるいは目視では凝集が確認できないが陰性と断定できない場合(例: 弱D、部分D)、弱D確認試験(間接抗グロブリン試験)を実施してD抗原の有無を最終的に確認する必要があります。本問のカラム凝集像では、D抗原に対する凝集が弱いか不明瞭であることが示唆されており、D陰性確認試験(弱D確認試験)が必要です。
- 4. 不規則抗体同定検査は、血漿中に存在する不規則抗体の種類を特定するものであり、RhD型判定とは直接関係ありません。不規則抗体スクリーニングで陽性だった場合に実施します。正しくは:D抗原弱発現型や部分D型の確認には、弱D確認試験(間接抗グロブリン試験)が必要です。選びやすい理由:「抗体」という言葉から、血液型に関する追加検査として選択されやすいかもしれませんが、この状況の優先順位としては不適切です。混同注意:不規則抗体スクリーニング検査と混同する可能性があります。また、不規則抗体が輸血副作用の原因となる知識と結びつけられやすいです。
- 5. 直接抗グロブリン試験(DAT)は、赤血球表面に抗体や補体が結合しているかを検出する検査であり、自己免疫性溶血性貧血や新生児溶血性疾患、輸血副作用などの診断に用いられます。RhD型判定の追加検査としては不適切です。正しくは:D抗原弱発現型や部分D型の確認には、弱D確認試験(間接抗グロブリン試験)が必要です。選びやすい理由:「抗グロブリン」という言葉や、免疫学的検査の一種であることから、血液型検査と関連付けて選びやすいかもしれませんが、目的が異なります。混同注意:間接抗グロブリン試験(弱D確認試験もその一種)と混同する可能性があります。直接と間接の違いが重要です。
国試ポイント
RhD血液型検査、特に弱Dや部分Dの判定手順と、それに関連する追加検査の知識が問われています。カラム凝集法の判定基準と、その後の精密検査の必要性を理解しているかが重要です。
混同注意
直接抗グロブリン試験と間接抗グロブリン試験、不規則抗体スクリーニングと同定検査の目的の違い。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の画像問題が出た場合は、各カラムの凝集の強さ、反応のパターンを正確に読み取り、それがどのような異常を示唆しているのかを判断できるかどうかが問われるでしょう。特に、RhD型が「弱D」である可能性を示唆する所見を見逃さないことが重要です。
関連知識
Rh血液型システムの基礎知識、弱Dと部分Dの臨床的意義、カラム凝集法の原理と判定、間接抗グロブリン試験(弱D確認試験)の原理。