1989年に検査が行われるようになり、日本での輸血後肝炎の減少に大きく貢献した検査項目はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
1989年に導入されたHCV抗体検査は、それまで非A非B型肝炎として知られていた輸血後肝炎の主要原因(C型肝炎ウイルス)を特定し、輸血用血液のスクリーニングを可能にしました。これにより、輸血によるC型肝炎ウイルスの感染が激減し、日本の輸血後肝炎の発生率が大幅に低下しました。
選択肢ごとの解説
- 1. HAV抗体はA型肝炎ウイルスの感染既往を示すマーカーですが、A型肝炎は主に経口感染し、輸血による感染は極めて稀です。また、1989年以降の輸血後肝炎減少の主要因ではありません。正しくは:HCV抗体選びやすい理由:肝炎ウイルスの一種であるため、誤って選択される可能性があります。混同注意:他の肝炎ウイルスマーカー
- 2. HBs抗原はB型肝炎ウイルスの感染を示すマーカーであり、輸血後肝炎の原因となり得ますが、HBs抗原検査は1972年から導入されており、問題文の「1989年に検査が行われるようになり」という時期と一致しません。また、B型肝炎による輸血後肝炎はHCVよりも早く対策がとられています。正しくは:HCV抗体選びやすい理由:輸血後肝炎の主要な原因ウイルスの一つであるため、時期を考慮しないと誤って選択される可能性があります。混同注意:他の肝炎ウイルスマーカー
- 3. 正解。HCV抗体検査は、1989年に非A非B型肝炎(当時、輸血後肝炎の主要原因であった)のスクリーニングとして導入され、その後C型肝炎ウイルスであることが判明しました。この検査の導入により、輸血を介したC型肝炎ウイルスの感染が劇的に減少し、日本の輸血後肝炎の減少に大きく貢献しました。
- 4. HEV抗体はE型肝炎ウイルスの感染を示すマーカーですが、E型肝炎は主に経口感染し、輸血による感染は稀です。また、HEV抗体検査が1989年に導入され、輸血後肝炎減少に大きく貢献したという事実はありません。正しくは:HCV抗体選びやすい理由:肝炎ウイルスの一種であるため、誤って選択される可能性があります。混同注意:他の肝炎ウイルスマーカー
- 5. サイトメガロウイルスは免疫不全患者や新生児において重篤な感染症を引き起こすことがありますが、主な輸血後肝炎の減少に貢献した検査項目としては適切ではありません。また、サイトメガロウイルス抗原検査の導入時期や影響も問題文の条件と異なります。正しくは:HCV抗体選びやすい理由:輸血関連の感染症検査として認識されているため、誤って選択される可能性があります。混同注意:他の輸血関連感染症マーカー
国試ポイント
輸血後肝炎の歴史、特にC型肝炎ウイルス(HCV)とその検査導入時期(1989年)が日本の輸血医療に与えた影響について知識が問われています。各肝炎ウイルスの主な感染経路や検査導入時期を正確に把握しているかが重要です。
混同注意
他の肝炎ウイルスマーカー(特にHBs抗原やHBc抗体などB型肝炎関連のマーカー)。B型肝炎のスクリーニングはより早期に導入されているため、時期の正確な記憶が求められます。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、各肝炎ウイルス検査の導入時期と、それによって解決された問題(例:非A非B型肝炎の大部分がHCVであることが判明したこと)を問われる可能性が高いです。また、輸血関連感染症全般の知識も重要になります。
関連知識
C型肝炎ウイルスの発見(1989年)、非A非B型肝炎の概念、輸血血液のスクリーニング検査の歴史、各肝炎ウイルスの疫学と感染経路。