便潜血の免疫学的検査法で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
免疫学的便潜血検査は、便中のヒトヘモグロビンを特異的に検出するため、食事制限は不要であり、鉄分を検出するものでもありません。また、下部消化管出血の検出において化学法より高い感度と特異度を示します。検体は便の表面を擦り取るように採取することが適切であり、ヘモグロビンが消化酵素で分解されにくいため、特に下部消化管出血の確認に適しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 免疫学的便潜血検査は、便中のヒトヘモグロビン(Hb)を特異的に検出する方法であり、鉄分を検出するものではありません。正しくは:便中のヒトヘモグロビンを検出します。選びやすい理由:便が黒くなる原因の一つに鉄分摂取があり、それに引っ張られる可能性があります。混同注意:化学法(グアヤク法など)がヘムの持つペルオキシダーゼ様活性を利用して間接的に鉄を検出するかのような誤解。
- 2. 免疫学的便潜血検査はヒトヘモグロビンを特異的に検出するため、肉類などの食事由来のヘモグロビンに影響されません。したがって、食事制限は不要です。正しくは:検査前に食事制限の必要はありません。選びやすい理由:化学法(グアヤク法)では偽陽性を避けるために肉類などの食事制限が必要であるため、その知識と混同しやすいです。混同注意:化学的便潜血検査(グアヤク法)における食事制限。
- 3. 免疫学的検査法は、化学的検査法(グアヤク法)と比較して、特に下部消化管出血に対して高い検出感度と特異度を持っています。正しくは:化学的検査法よりも検出感度が高いです。選びやすい理由:「免疫学的」という言葉の響きから、より特異的であるため感度が低いと誤解する可能性がありますが、実際にはHbを特異的に検出するため、診断能が高いです。混同注意:感度と特異度の関係性、または検査原理の違い。
- 4. 正解。便潜血検査では、便の表面に付着している血液を効率よく検出するため、便の表面を複数箇所から擦り取るようにして検体を採取することが推奨されます。選びやすい理由:一般的な検体採取方法としてイメージしやすいため、正答と判断しやすいです。
- 5. 正解。免疫学的便潜血検査は、消化酵素によって変性を受けにくいヒトヘモグロビンを検出するため、主に下部消化管からの出血の検出に優れています。上部消化管からの出血の場合、ヘモグロビンが消化酵素で変性し、検出されにくくなる傾向があります。選びやすい理由:下部消化管出血のスクリーニング検査としてよく用いられるため、その知識から正答と判断しやすいです。混同注意:上部消化管出血の検出には、消化酵素の影響を受けにくい化学法(グアヤク法)の方が検出されやすい場合があるという知識との混同。
国試ポイント
便潜血検査の免疫学的検査法と化学的検査法の違い、特にその原理、食事制限の有無、感度・特異度、および適応する消化管部位について理解しているかが問われています。また、正しい検体採取方法も重要な知識点です。
混同注意
免疫学的検査法と化学的検査法(グアヤク法)の比較。特に、食事制限の要否、検出対象(ヒトHb vs ヘム)、消化管出血の検出部位の得意不得意。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、免疫学的検査法だけでなく、化学的検査法の特徴についても比較検討する選択肢が出題される可能性が高いです。また、消化管出血の部位による検査法の選択理由を深く理解しているかが問われるでしょう。
関連知識
化学的便潜血検査(グアヤク法)の原理、陽性・偽陽性・偽陰性の要因。大腸がん検診における便潜血検査の意義と限界。消化管出血の原因疾患。