PT正常、APTT延長のときに考えられるのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
PTが正常でAPTTが延長する病態は、主に内因系凝固経路の異常を示すか、APTT測定系の特性に関連するものです。血友病Aは内因系凝固因子の欠乏によりAPTTが延長し、抗リン脂質抗体症候群はin vitroでのAPTT測定に影響を与えることで延長が見られます。他の選択肢は、PTとAPTTの両方が延長するか、PTのみが延長する病態です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。血友病Aは、凝固内因系に属する第VIII因子の遺伝的欠損によって引き起こされます。PTは外因系および共通凝固系を反映するため通常は正常ですが、APTTは内因系の異常を鋭敏に反映するため延長します。
- 2. 肝臓は第VIII因子以外のほとんどの凝固因子(II, V, VII, IX, Xなど)を産生するため、重度の肝機能障害ではこれらの因子の産生が低下し、外因系、内因系、共通凝固系のすべてが影響を受けます。この結果、PTとAPTTの両方が延長するのが一般的です。正しくは:重度の肝機能障害では、PTとAPTTの両方が延長することが一般的です。選びやすい理由:肝臓が凝固因子を産生するという基本的な知識から、凝固異常を引き起こす病態として想起されやすいですが、PTとAPTT両方への影響を理解している必要があります。混同注意:ビタミンK欠乏症や、特定の単一凝固因子欠乏症と混同されやすいです。
- 3. 第V因子は共通凝固系に属する凝固因子です。共通凝固系の異常は、外因系と内因系の両方に影響を及ぼすため、第V因子欠乏症ではPTとAPTTの両方が延長します。正しくは:第V因子欠乏症では、PTとAPTTの両方が延長します。選びやすい理由:特定の凝固因子の欠乏であるため、凝固異常と結びつけやすいですが、その因子がどの凝固経路に属するかを正確に理解していないと誤答につながります。混同注意:内因系のみに影響する凝固因子(例: 第VIII因子、第IX因子など)の欠乏と混同しやすいです。
- 4. ビタミンKは、第II、VII、IX、X因子の活性化に必須です。これらの因子は外因系(VII)、内因系(IX)、共通凝固系(II, X)にそれぞれ関与するため、ビタミンK欠乏状態ではPTとAPTTの両方が延長します。特にPTは第VII因子の半減期が短いため、比較的早期に延長します。正しくは:ビタミンK欠乏状態では、PTとAPTTの両方が延長します。選びやすい理由:ビタミンK欠乏は凝固異常の代表的な原因であり、国試でも頻出であるため、知識はあってもPTとAPTTのどちらか一方のみの異常ではないことを理解していないと選択しがちです。混同注意:肝障害や、特定の単一凝固因子欠乏症と混同されやすいです。
- 5. 正解。抗リン脂質抗体症候群では、in vitroのAPTT測定において、試薬に含まれるリン脂質にループスアンチコアグラントなどの抗体が結合することで、リン脂質依存性の凝固反応が阻害され、APTTが延長することがあります。PTは通常、正常範囲内です。ただし、生体内(in vivo)では血栓傾向を示します。
国試ポイント
凝固カスケードにおける内因系、外因系、共通凝固系の役割と、それぞれの経路を評価する主要な凝固検査(PT、APTT)の関連性を理解しているか、また、各病態がこれらの検査結果にどのように影響するかを識別できるかが問われています。特に、抗リン脂質抗体症候群のようなin vitroとin vivoで異なる現象を示す病態に関する知識も重要です。
混同注意
PTとAPTTの検査結果パターン(両方延長、PTのみ延長、APTTのみ延長)と、それに該当する疾患を混同しやすいです。特に、多くの凝固因子欠乏症や全身性疾患がPT/APTT両方の延長を引き起こすため、APTTのみが延長する特殊なケースを正確に覚える必要があります。また、抗リン脂質抗体症候群のin vitroでの凝固時間延長と、in vivoでの血栓傾向という逆説的な現象が混同されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、PTとAPTTの組み合わせ以外の凝固検査項目(例:フィブリノゲン濃度、D-ダイマー、血小板数など)も考慮した病態判別や、抗凝固薬(ワーファリン、ヘパリンなど)が凝固検査値に与える影響について問われる可能性があります。
関連知識
凝固系に関する基本的な知識として、PTが第VII因子および共通凝固系を評価し、APTTが第XII, XI, IX, VIII因子および共通凝固系を評価することを理解しておく必要があります。また、第VII因子欠乏症(PT延長、APTT正常)やDIC(PT, APTT延長)など、他の代表的な凝固異常における検査所見も関連知識として重要です。