遺伝性血管神経性浮腫の原因はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビター(C1-INH)の量的または機能的欠損によって引き起こされます。C1インヒビターは、古典的補体経路のC1活性、カリクレイン-キニン系のカリクレイン、凝固系のFXIIaなどを阻害する重要なセリンプロテアーゼインヒビターです。このインヒビターが欠損すると、これらの経路が過剰に活性化され、特にブラジキニンの過剰産生により血管透過性が亢進し、浮腫が生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. C3欠損は、重度の反復性細菌感染症や自己免疫疾患のリスクを高めますが、遺伝性血管性浮腫の直接的な原因ではありません。正しくは:C3の欠乏は化膿性細菌感染症への易感染性などを引き起こす。選びやすい理由:補体成分の欠損という点で関連性があるように見える。混同注意:C1インヒビターと他の補体関連因子の機能不全。
- 2. CD59欠損は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の原因となることが知られており、補体による赤血球溶解を防ぐ膜タンパク質です。遺伝性血管性浮腫とは直接関係ありません。正しくは:CD59の欠損は発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の原因となる。選びやすい理由:補体制御因子であるため、関連があるように思える。混同注意:補体制御因子の機能不全。
- 3. 補体の寒冷活性化は、クリオグロブリン血症などの病態に関連しますが、遺伝性血管性浮腫の直接的な原因ではありません。正しくは:補体の寒冷活性化はクリオグロブリン血症などに関与することがある。選びやすい理由:補体経路の異常という点で選択肢として選びやすい。混同注意:補体経路の様々な異常。
- 4. 正解。遺伝性血管性浮腫(HAE)の最も一般的な原因は、C1インヒビター(C1-INH)の機能的または量的な欠損です。C1インヒビターは、補体経路のC1、カリクレイン-キニン系、凝固系などを制御する重要なタンパク質であり、その欠損によりブラジキニンの過剰産生が起こり、血管性浮腫を誘発します。正しくは:正しい選択肢です。選びやすい理由:C1インヒビターの役割を知っていれば、この選択肢が正解だとすぐにわかる。
- 5. アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損は、重症複合免疫不全症(SCID)の一因となる遺伝子疾患であり、リンパ球の成熟と機能に影響を与えます。血管性浮腫とは関連がありません。正しくは:アデノシンデアミナーゼ(ADA)の欠損は重症複合免疫不全症(SCID)の原因となる。選びやすい理由:他の遺伝性疾患の原因であるため、選択肢として見過ごしがち。混同注意:他の免疫不全症の原因遺伝子。
国試ポイント
遺伝性血管性浮腫(HAE)の主要な病態生理と原因(C1インヒビター欠損)について理解しているかを問う問題です。補体経路の制御因子とその機能、欠損によって引き起こされる疾患との関連性が重要となります。他の補体関連疾患や免疫不全症の原因との鑑別も求められます。
混同注意
C1インヒビター欠損と他の補体成分の欠損(例: C2、C3など)による疾患、あるいは補体経路の異常が関わる他の免疫疾患。
次に同じ論点が出たら
C1インヒビターの機能、HAEの病型分類(タイプI, II, III)、および治療法(C1-INH補充療法、ブラジキニンB2受容体拮抗薬など)について問われる可能性があります。
関連知識
C1インヒビターの機能(補体活性化、カリクレイン-キニン系、凝固系の制御)、ブラジキニンが血管透過性に与える影響、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の原因(CD55, CD59欠損)、重症複合免疫不全症(SCID)の原因(ADA欠損など)。