免疫担当細胞で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3・4番のうち2つ(いずれの組合せも正解)
解説
【公式の取扱い】2つを選ぶ形式で、公式の正答表では「2と3」・「2と4」・「3と4」のいずれの組合せも正解とされています。 選択肢2: マスト細胞はFcε受容体だけでなくFcγ受容体も発現しており、免疫複合体の除去などに関与します。選択肢3: NK細胞は、MHCクラスIの発現低下やストレス分子の存在を認識し、ウイルス感染細胞や一部のがん細胞をMHC非拘束的に殺傷する自然免疫の重要な細胞です。選択肢4: マクロファージは、抗体(IgG)や補体(C3b)によるオプソニン化を介して、細菌などの異物を効率的に貪食・除去します。
選択肢ごとの解説
- 1. B細胞は、MHCクラスII分子を介して、ヘルパーT細胞に抗原を提示する能力を持っています。正しくは:B細胞は抗原提示能を持っています。選びやすい理由:B細胞の主な機能が抗体産生であるため、抗原提示はT細胞やマクロファージの役割と思われがちです。混同注意:専門的な抗原提示細胞(APC)として樹状細胞、マクロファージ、B細胞があることを混同しているかもしれません。
- 2. 正解。マスト細胞はFcε受容体(IgE受容体)だけでなく、Fcγ受容体(IgG受容体)も発現しており、これによりIgG抗体によってオプソニン化された抗原を認識し、細胞応答を調節することが可能です。選びやすい理由:マスト細胞といえばIgEが強く連想されるため、Fcγ受容体の存在は盲点になりやすいです。混同注意:Fcε受容体との混同。マスト細胞が主にIgEを介したアレルギー反応に関与するという認識が強すぎるかもしれません。
- 3. 正解。NK細胞は、MHCクラスI分子の発現が低下した細胞や、ストレス分子を発現する細胞(ウイルス感染細胞や一部のがん細胞など)を認識し、攻撃・殺傷する能力があります。これは獲得免疫が誘導される前の初期防御機構として重要です。選びやすい理由:T細胞がウイルス感染細胞を攻撃するというイメージが強いため、NK細胞の役割を見落としがちです。混同注意:細胞傷害性T細胞(CTL)の役割との混同。NK細胞はMHCクラスI非依存的に異常細胞を認識するという点でCTLと異なります。
- 4. 正解。マクロファージは食細胞の一種であり、抗体(IgGなど)や補体(C3bなど)によってオプソニン化された細菌や異物を効率的に貪食し、分解する役割を担っています。これにより感染防御に貢献します。選びやすい理由:マクロファージの貪食作用は基本的な知識ですが、オプソニン化という条件を見落とす可能性はあります。混同注意:貪食細胞の一般的な役割と、オプソニン化のメカニズムを混同しているかもしれません。
- 5. CD8陽性キラーT細胞は、MHCクラスI分子と結合することで、ウイルス感染細胞やがん細胞を認識し、殺傷します。MHCクラスII分子と結合するのは、CD4陽性ヘルパーT細胞です。正しくは:CD8陽性キラーT細胞はMHCクラスI抗原と反応します。選びやすい理由:MHCクラスIとMHCクラスII、そしてCD4とCD8の組み合わせは非常に間違いやすいポイントです。混同注意:CD4陽性ヘルパーT細胞がMHCクラスIIと結合するという知識と混同しているかもしれません。
国試ポイント
免疫担当細胞のそれぞれの役割と、関与する分子(受容体、MHC分子など)の組み合わせを正確に理解しているかが問われる問題です。特に、基本的な機能に加え、紛らわしい例外や関連事項についても知識が必要です。
混同注意
各免疫細胞の主要な機能(例:B細胞=抗体産生、マスト細胞=アレルギー)に固執し、他の機能や発現分子を見落とすこと。また、CD4/CD8とMHCクラスI/IIの組み合わせを誤解しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各免疫細胞の『主要な機能だけでなく、副次的な機能や、発現する受容体』まで詳細に確認する視点が必要です。特に、MHC分子との関連性や、細胞傷害性のメカニズムは重要です。
関連知識
MHCクラスIとクラスII抗原提示経路の違い、オプソニン化のメカニズム、自然免疫と獲得免疫における各細胞の役割、細胞表面マーカー(CD分子)の機能。