標準12誘導心電図(別冊No. 3)を別に示す。考えられるのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
下に示す心電図では、ST部分の低下、T波の平坦化、そしてT波の後に続くU波の出現が認められます。これらの所見は低カリウム血症に特徴的な心電図変化です。高カリウム血症ではテント状T波やQRS幅延長、低カルシウム血症および高カルシウム血症ではQT時間の延長または短縮が見られます。高ナトリウム血症は心電図に特異的な変化をほとんど示しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 高カリウム血症では、T波の尖鋭化(テント状T波)、QRS幅の延長、P波の消失、徐脈などが特徴的であり、心電図の所見とは異なります。正しくは:高カリウム血症では、T波が鋭く高くなり、QRS幅が広がる、P波が見えにくくなるなどの変化が見られます。選びやすい理由:電解質異常は心電図に影響を与えるため、他の電解質異常と混同しやすいかもしれません。混同注意:低カリウム血症と高カリウム血症の心電図変化は対照的であるため、混同しやすいです。
- 2. 高カルシウム血症では、QT時間の短縮が主な心電図変化であり、U波の出現やST下降といった本心電図の所見とは異なります。正しくは:高カルシウム血症では、QT時間が短縮する傾向があります。選びやすい理由:カルシウムも重要な電解質であり、心機能に影響を与えるため、可能性として考えてしまうかもしれません。混同注意:低カルシウム血症と高カルシウム血症の心電図変化を混同することがあります。
- 3. 高ナトリウム血症は、心電図に直接的な特異的変化をほとんど示しません。体液量や他の電解質との関連で間接的な影響が生じる可能性はありますが、本心電図のような特徴的な所見は通常見られません。正しくは:高ナトリウム血症は、直接的な心電図変化を引き起こすことは稀です。選びやすい理由:ナトリウムも電解質異常の一つであり、心機能との関連も考えられますが、心電図に特異的な変化をきたすことは少ないという知識が不足していると選んでしまう可能性があります。混同注意:他の電解質異常による心電図変化と混同する可能性があります。
- 4. 正解。低カリウム血症の心電図では、ST部分の低下、T波の平坦化または陰性化、U波の出現(T波の後に続く陽性波)、QT時間の延長などが特徴的に見られます。下図の心電図では、T波の平坦化、U波の出現、ST下降が認められるため、低カリウム血症と診断できます。選びやすい理由:他の電解質異常の知識が曖昧だと、自信を持って選べないかもしれません。
- 5. 低カルシウム血症では、QT時間の延長が主な心電図変化であり、U波の出現やST下降といった本心電図の所見とは異なります。正しくは:低カルシウム血症では、QT時間が延長する傾向があります。選びやすい理由:カルシウムも重要な電解質であり、心機能に影響を与えるため、可能性として考えてしまうかもしれません。混同注意:高カルシウム血症と低カルシウム血症の心電図変化を混同することがあります。
国試ポイント
本問題は、電解質異常が心電図に与える影響、特にカリウムとカルシウムの異常による特徴的な心電図変化を正確に識別できるかを問うものです。個々の波形(P波、QRS波、T波、U波)や間隔(QT時間、PR時間)の変化を理解していることが重要です。
混同注意
高カリウム血症と低カリウム血症の心電図変化は対照的であり、混同しやすいです。また、カルシウム異常によるQT時間の変化と、カリウム異常によるT波・U波の変化を区別することも重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の心電図問題が出題された場合、まずT波の形(尖鋭化、平坦化、陰性化)、U波の有無、ST部分の変化(上昇、下降)、QRS幅、QT時間の長さに注目します。これらの変化から、どの電解質異常が最も考えられるかを判断します。
関連知識
電解質の生理的役割(特にK+, Ca2+の心筋活動への影響)、心電図の各波形と間隔の意味、電解質異常がこれらの波形・間隔にどのように影響するか。具体的には、K+が再分極に、Ca2+が活動電位のプラトー相に深く関与していることを理解すると、心電図変化の理由がより深く理解できます。