移植について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
急性拒絶反応は、主にドナー由来の抗原をレシピエントの細胞傷害性T細胞が認識し、攻撃することで引き起こされます。この免疫反応は、移植された臓器の機能不全や破壊につながるため、強力な免疫抑制療法で抑制されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 造血幹細胞は末梢血中にも存在し、G-CSFなどの薬剤を投与することで増殖・動員され、アフェレーシスによって採取することが可能です。正しくは:造血幹細胞は、G-CSFを投与することで末梢血中から採取することが可能です。選びやすい理由:骨髄から採取するイメージが強いため、末梢血からは不可能だと誤解しやすいです。混同注意:骨髄移植と末梢血幹細胞移植の区別。
- 2. ヒトからヒトへの移植は「同種移植(Allogeneic transplantation)」と呼ばれます。同系移植(Syngeneic transplantation)は一卵性双生児間での移植を指します。正しくは:ヒトからヒトへの移植は「同種移植」と呼ばれます。選びやすい理由:「同種」と「同系」という言葉の類似性から混同しやすいです。混同注意:「同種移植(allogeneic transplantation)」と「同系移植(syngeneic transplantation)」の定義。
- 3. 正解。急性拒絶反応は、レシピエントの細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)が移植臓器の細胞を直接攻撃することによって引き起こされます。これはHLA不適合が原因で起こることが多いです。選びやすい理由:正しい記述であるため、適切な知識があれば選択しやすいです。混同注意:他の拒絶反応やGVHDに関与する細胞。
- 4. 移植後に起こるGVHD(移植片対宿主病)は、移植されたドナー由来のリンパ球(特にT細胞)が、レシピエントの組織を異物と認識して攻撃することが主な原因となります。正しくは:移植後に起こるGVHD(移植片対宿主病)は、ドナー由来のリンパ球が主な原因となります。選びやすい理由:「拒絶反応」と「GVHD」を混同し、レシピエント側の反応だと思いやすいです。混同注意:拒絶反応(レシピエントがドナーを攻撃)とGVHD(ドナーがレシピエントを攻撃)の区別。
- 5. 肝臓移植は、他の臓器移植、特に腎臓や骨髄移植と比較して、HLA適合性への要求が比較的低いとされています。これは、肝臓が免疫寛容を誘導しやすい臓器であるためと考えられています。正しくは:肝臓移植では、他の臓器移植と比較してHLA適合性への要求が比較的低いです。選びやすい理由:全ての臓器移植でHLA適合性が重要であるという一般的な認識から、肝臓移植でも非常に高い要求があると誤解しやすいです。混同注意:肝臓移植におけるHLA適合性の重要性と、腎臓や骨髄移植における重要性の違い。
国試ポイント
臓器移植における拒絶反応の種類と関与する主要な免疫細胞、および造血幹細胞移植におけるGVHDのメカニズムを理解することが重要です。
混同注意
拒絶反応の種類(超急性、急性、慢性)とGVHDの混同、およびそれぞれの主要な関与細胞の混同。
次に同じ論点が出たら
拒絶反応の種類と関与する免疫細胞、GVHDの原因細胞、および各臓器移植におけるHLA適合性の重要度を確認する。
関連知識
臓器移植の種類(同種、異種など)、免疫抑制剤の種類と作用機序、GVHDの病態生理と治療、HLAの役割。