感染症法に基づく入院勧告の対象となるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
感染症法において、入院勧告や入院措置が原則的に義務付けられるのは「一類感染症」です。一類感染症は、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱の7疾患であり、これらは極めて危険性が高く、まん延を防止するために最も厳重な措置がとられることになっています。選択肢の中で一類感染症に該当するのはエボラ出血熱のみです。
選択肢ごとの解説
- 1. 麻疹は感染症法で「五類感染症」に分類されており、診断した医師は直ちに保健所長への届出が義務付けられていますが、入院勧告や行動制限の対象ではありません。正しくは:麻疹は五類感染症であり、入院勧告の対象とはなりません。選びやすい理由:一般的な感染症として認知度が高く、感染力も強いため、重い措置が取られると誤解されやすいかもしれません。混同注意:結核やSARSなど、入院勧告の対象となる他の呼吸器感染症と混同する可能性があります。
- 2. コレラは感染症法で「二類感染症」に分類されており、患者の隔離や特定の条件下での入院勧告・措置は可能ですが、問題で問われている「入院勧告の対象」としては、より緊急性の高い一類感染症が意図されています。一類感染症では原則として入院措置が義務付けられますが、二類感染症では「必要に応じて」という判断が入ります。正しくは:コレラは二類感染症であり、入院勧告・措置は可能ですが、一類感染症ほど原則的に義務付けられているわけではありません。選びやすい理由:コレラも重篤な感染症であり、入院措置が取られることがあるため、正しい選択肢だと考えてしまう可能性があります。混同注意:一類感染症と二類感染症の区別、およびそれぞれの入院勧告・措置の強制力の違いが曖昧だと混同しやすいです。
- 3. マラリアは感染症法で「四類感染症」に分類されており、診断した医師は直ちに保健所長への届出が義務付けられていますが、入院勧告や行動制限の対象ではありません。主に蚊を介して感染する疾患であり、人から人への直接感染によるまん延のリスクは低いとされています。正しくは:マラリアは四類感染症であり、入院勧告の対象とはなりません。選びやすい理由:熱帯・亜熱帯地域で重症化することがある感染症であり、危険なイメージから入院措置の対象と誤解する可能性があります。混同注意:他の輸入感染症(例えばデング熱など)や、より重篤な感染症分類の疾患と混同する可能性があります。
- 4. 正解。エボラ出血熱は感染症法で「一類感染症」に分類されており、極めて危険性が高く、感染力も強いため、原則として都道府県知事による入院勧告や強制的な入院措置の対象となります。まん延防止のため、診断されれば直ちに入院が義務付けられる疾患です。
- 5. 後天性免疫不全症候群(AIDS)は感染症法で「五類感染症」に分類されており、診断した医師は届出が義務付けられていますが、入院勧告や行動制限の対象ではありません。感染経路が限られており、一般的な接触では感染しないため、強制的な隔離措置は不要とされています。正しくは:後天性免疫不全症候群(AIDS)は五類感染症であり、入院勧告の対象とはなりません。選びやすい理由:かつて社会的に大きな問題となった疾患であり、重篤なイメージから強制的な措置が取られると誤解されやすいかもしれません。混同注意:他の性感染症や、過去に強制隔離の対象とされた感染症と混同する可能性があります。
国試ポイント
感染症法における疾患の分類(一類〜五類、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症など)と、それぞれの分類に応じた公衆衛生上の措置(届出義務、入院勧告・措置、就業制限など)を正しく理解しているかが問われます。特に、入院勧告・措置の対象となる一類感染症と二類感染症の違いがポイントになります。
混同注意
一類感染症と二類感染症で入院勧告・措置の強制力に違いがあること、また、各感染症がどの分類に属するかを混同しやすいです。特に、感染力の強さや重症度から判断してしまい、実際の分類と異なる解釈をしてしまうことがあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、疾患名を見てそれが何類感染症であるかを判別できるか、またその分類でどのような措置が法的に可能であるかを判断できるかが問われます。特に、一類感染症の全疾患名、二類感染症の代表的な疾患名とその措置のレベルを確実に押さえておく必要があります。
関連知識
感染症法の各分類(一類~五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症)について、それぞれの特徴と公衆衛生上の対応(届出、入院勧告・措置、就業制限、検疫など)を整理して覚える必要があります。特に、各分類に属する代表的な疾患を複数覚えておくことが重要です。