脳波の記録法で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
電極T6は国際10-20法における電極配置の一つであり、右側頭葉の後部に位置します。具体的には、右耳前点(A2)から後方へ、頭頂線と側頭線の交点付近に配置され、側頭葉の後方からの脳活動を記録するのに適しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 時定数0.1秒では低周波成分が減衰し、脳波の基礎律動やてんかん性放電などの遅波成分を適切に記録できません。脳波の一般的な記録時定数は0.3秒です。正しくは:時定数は0.3秒が一般的な設定です。選びやすい理由:時定数がフィルターの一種であることは理解していても、正確な設定値まで記憶していない場合に選びやすいです。または、心電図などの他の生理検査の時定数と混同する可能性があります。混同注意:心電図などの他の生理検査の時定数、あるいは高周波フィルターの設定。時定数が長いほど低周波成分を記録しやすいという原理が混同される可能性があります。
- 2. 正解。国際10-20法において、T6電極は右側頭葉の後部に位置し、側頭後部の脳活動を記録します。選びやすい理由:国際10-20法の電極位置を正確に理解していれば、正しい選択肢として選べます。混同注意:他の側頭部電極(T3, T4, T5)や、他の領域の電極。
- 3. 脳死判定における脳波測定では、微細な脳活動の有無を確認するため、通常よりも高い測定感度で記録します。日本脳神経外科学会の脳死判定基準では、少なくとも10μV/mmに設定して記録します。20μV/mmでは感度が低すぎ、微細な活動を見落とす可能性があります。正しくは:脳死判定における脳波測定では、測定感度は10μV/mmで記録します。選びやすい理由:一般的な脳波検査の感度設定が5〜10μV/mmであることから、少し高い20μV/mmでも許容範囲かと思ってしまう可能性があります。しかし、脳死判定ではより高感度な記録が求められます。混同注意:一般的な脳波検査の感度設定。脳死判定という特殊な状況における高感度設定の必要性を見落としやすいです。
- 4. てんかん発作が起こった場合、発作中の脳波変化を詳細に記録することが診断上非常に重要です。速やかに記録を中断するのではなく、むしろ記録を継続し、発作の開始、経過、終息までの脳波パターンを把握すべきです。正しくは:てんかん発作が起こった場合、速やかに記録を継続し、発作時脳波を記録すべきです。選びやすい理由:患者の安全を優先して対応することが医療の基本であるため、発作中に測定器を操作することに抵抗を感じる可能性があります。しかし、脳波検査は診断のために実施されており、発作時の記録が最も重要です。混同注意:患者の身体的安全性確保と、検査目的の混同。発作時には患者の安全確保が最優先ですが、脳波検査では発作時の記録も重要であるという点で誤解が生じやすいです。
- 5. サンプリング周波数と記録できる周波数成分の間にはナイキストの定理(サンプリング定理)が適用されます。サンプリング周波数の半分まで(ナイキスト周波数)の成分が正確に記録できるため、200Hzのサンプリング周波数では100Hzまでの高域成分を正確に記録できます。120Hzはナイキスト周波数を超えているため、エイリアシングが生じ、正確な記録はできません。正しくは:サンプリング周波数200Hzの場合、100Hzまでの高域成分を正確に記録できます。選びやすい理由:サンプリング周波数が高いほど広い範囲の周波数を記録できるという大まかな理解は正しくても、ナイキスト周波数という具体的な上限値を忘れている場合に誤って選択しやすいです。混同注意:サンプリング周波数自体が高域フィルターの遮断周波数であるかのような誤解。あるいは、ナイキストの定理を正確に理解していない場合に、単純に「200Hzだから120Hzも記録できるだろう」と判断してしまう可能性があります。
国試ポイント
脳波の国際10-20法における電極配置と各電極の解剖学的位置関係を理解する。
混同注意
国際10-20法における各電極の位置(例:Fp1, F3, C3, P3, O1, Fp2, F4, C4, P4, O2, Fz, Cz, Pz, T3, T4, T5, T6など)は混同しやすいため、解剖学的な位置とセットで覚えることが重要です。
次に同じ論点が出たら
脳波の電極配置に関する問題が出た場合、国際10-20法の図を頭に描き、各アルファベットと数字が示す解剖学的位置(例:Fpは前頭極、Tは側頭部、Oは後頭部など)を正確に判断する。
関連知識
国際10-20法は、脳の各部位の電気活動を標準化された方法で記録するために用いられます。各電極は、頭蓋骨の骨指標(ナジオン、イニオン、耳前点)を基準として、総頭周長を10%または20%間隔で分割した位置に配置されます。Fは前頭葉、Cは中心溝周辺、Pは頭頂葉、Oは後頭葉、Tは側頭葉を示し、奇数は左半球、偶数は右半球、zは正中線を表します。