脳波(別冊No. 4)を別に示す。所見はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
下に示す脳波画像は、棘波と徐波が1セットとなり、およそ3Hz(1秒間に3回)の頻度で規則的に繰り返している典型的なパターンを示しています。この所見は、小児欠神てんかんにおいて特徴的に見られる脳波異常であり、「3Hz棘徐波複合」と呼ばれます。
選択肢ごとの解説
- 1. 三相波は肝性脳症などで見られ、特徴的な3つの位相を持つ波形ですが、本図の脳波とは異なります。正しくは:三相波は主に肝性脳症で見られる、高振幅で三つの位相を持つ周期的な波形です。選びやすい理由:てんかん以外の病態に関連する異常波形として、知識が曖昧な場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:他の周期性脳波異常やてんかん性脳波との混同。
- 2. 多棘徐波複合は、複数の棘波に続いて徐波が出現する波形ですが、本図のような規則性や周波数ではありません。これはてんかん原性脳波ですが、本図の脳波とはパターンが異なります。正しくは:多棘徐波複合は、2つ以上の棘波が連続し、その後に徐波が続く波形を指します。選びやすい理由:てんかん性の異常波形であるため、てんかんを想起して選んでしまう可能性があります。混同注意:他のてんかん性放電パターンとの混同。
- 3. 正解。下に示す脳波は、およそ3秒に1回の頻度で棘波と徐波が連続して出現するパターンであり、これは小児欠神てんかんにおける特徴的な脳波所見である3Hz棘徐波複合に一致します。正しくは:この所見は小児欠神てんかんの典型的な脳波パターンです。選びやすい理由:小児欠神てんかんの最も特徴的な所見であるため、その知識があれば正答しやすいです。混同注意:他のてんかん性脳波所見(例:多棘徐波複合、部分てんかんの焦点性放電など)との混同。
- 4. 周期性同期性放電(PSD)は、クロイツフェルト・ヤコブ病などで見られる周期的な高振幅鋭波または棘波で、本図の棘徐波複合とは異なります。正しくは:周期性同期性放電は、通常0.5〜2秒間隔で周期的に出現する鋭波または棘波を指し、クロイツフェルト・ヤコブ病などで特徴的です。選びやすい理由:「周期性」という言葉から、本図の規則的な出現を連想して選んでしまう可能性があります。混同注意:てんかん以外の周期性脳波異常との混同。
- 5. ヒプスアリスミアはウエスト症候群に特徴的な非常に不規則で高振幅、広範にわたる棘波・徐波の混合波形であり、本図のような規則的なパターンではありません。正しくは:ヒプスアリスミアはウエスト症候群に見られる、極めて不規則かつ高振幅で広範な棘波、鋭波、徐波が混在する特徴的な脳波パターンです。選びやすい理由:乳幼児のてんかんに関連する非常に異常な脳波として知られているため、一般的なてんかん性脳波を問われた際に選択肢として頭に浮かびやすいです。混同注意:他のてんかん性脳波、特に重症乳幼児てんかんの脳波パターンとの混同。
国試ポイント
脳波の判読能力、特に小児てんかんの代表的な脳波所見を識別できるかが問われています。各疾患に特異的な脳波パターンを正確に理解しておく必要があります。
混同注意
てんかん性脳波(多棘徐波複合、焦点性棘波など)、肝性脳症の三相波、クロイツフェルト・ヤコブ病の周期性同期性放電など、他の特徴的な異常脳波との鑑別。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、他の代表的なてんかん性脳波所見(ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群、部分てんかんなど)や、てんかん以外の特徴的な異常脳波(肝性脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病など)を判読できるかが問われる可能性があります。
関連知識
小児欠神てんかんの臨床症状(突然の意識消失、学童期に発症が多い)、他のてんかん症候群と関連する脳波所見(ウエスト症候群のヒプスアリスミア、レノックス・ガストー症候群の徐波律動性棘徐波複合など)。脳波の基本判読(周波数、振幅、波形の種類)。