尿沈渣の無染色標本(別冊No. 1)を別に示す。この構造物の成分はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
下に示す画像に見られるエンベロープ型(封筒のような形、または八面体)の結晶は、シュウ酸カルシウム二水和物結晶の典型的な特徴です。シュウ酸カルシウム結晶は尿沈渣で最もよく見られる結晶の一つで、特に二水和物は様々な尿pH条件下で検出されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿酸結晶は一般的に菱形や樽型、ロゼット状などの形態を示し、シュウ酸カルシウム結晶(二水和物)のようなエンベロープ型(八面体)は取りません。正しくは:尿酸結晶は尿酸の過飽和によって生じ、特徴的な形態を示します。選びやすい理由:結晶の種類として一般的なため、知識があいまいな場合選びやすいかもしれません。混同注意:他の種類の尿沈渣結晶と混同しやすいです。特に酸性尿で出現するという共通点があります。
- 2. シスチン結晶は無色透明の六角形板状結晶として観察され、画像のようなエンベロープ型ではありません。シスチン尿症で特異的に見られます。正しくは:シスチン結晶はシスチン尿症に特徴的な六角形板状の結晶です。選びやすい理由:異常結晶として認識されるため、疾患との関連で選択肢として考えやすいかもしれません。混同注意:異常結晶であるという点で他の異常結晶と混同しやすいです。
- 3. ビリルビン結晶は黄褐色で針状や顆粒状の形態を取り、画像のようなエンベロープ型ではありません。肝疾患などで尿中に出現します。正しくは:ビリルビン結晶は黄褐色の針状または顆粒状の結晶で、尿中にビリルビンが多量に存在する際に観察されます。選びやすい理由:病的意義のある結晶として意識されやすいですが、形態が異なります。混同注意:色や形態が全く異なるため、混同は少ないかもしれません。
- 4. リン酸カルシウム結晶は通常、無色の不規則な薄板状または顆粒状の形態を示し、画像のようなエンベロープ型とは異なります。アルカリ性尿でよく見られます。正しくは:リン酸カルシウム結晶はアルカリ性尿で観察されることが多い、不定形な薄板状または顆粒状の結晶です。選びやすい理由:カルシウム塩の一種であり、結晶として一般的なため、不正確な知識の場合選びやすいかもしれません。混同注意:他のカルシウム塩の結晶(例:リン酸アンモニウムマグネシウム結晶、シュウ酸カルシウム結晶)と混同しやすいです。
- 5. 正解。画像に示されているエンベロープ型(八面体)の結晶は、シュウ酸カルシウム二水和物結晶の典型的な形態です。これは尿沈渣で最も頻繁に検出される結晶の一つです。混同注意:シュウ酸カルシウム一水和物(ダンベル型、卵円型)とは形態が異なりますが、成分は同じシュウ酸カルシウムです。
国試ポイント
尿沈渣の結晶成分は、その形態と尿pHとの関連で問われることが多いです。特に頻出する結晶(シュウ酸カルシウム、尿酸、リン酸アンモニウムマグネシウムなど)の典型的な形態を画像で識別できる能力が求められます。正常な結晶と異常な結晶の区別も重要です。
混同注意
尿酸結晶、リン酸アンモニウムマグネシウム結晶、シスチン結晶など、他の主要な尿沈渣結晶の形態。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合、まず結晶の形態的特徴(色、形、大きさ)を正確に識別できるかを確認します。次に、その結晶が正常尿沈渣で出現しうるものか、それとも病的意義があるものかを判断します。そして、関連する尿pHや疾患との関連性も考慮して解答を導きます。
関連知識
シュウ酸カルシウム結晶は、尿路結石の原因となる主な成分の一つです。尿pHに関わらず出現する可能性がありますが、特に酸性尿でよく見られます。ビタミンCの過剰摂取やシュウ酸を多く含む食品の摂取なども関連することがあります。一水和物結晶はダンベル型や卵円形、無定形として見られることもあります。