尿路感染症を疑う患者の中間尿を滅菌生理食塩液で100倍希釈し、希釈尿の10 μLを定量培養した。 尿路感染の原因と判断できる細菌数1×10⁵ cfu/mLと判定されるコロニー数はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
尿路感染症の診断基準である1×10^5 cfu/mLの細菌を検出するために、100倍希釈した尿を10μL(0.01mL)培養した場合のコロニー数を算出します。計算式は次の通りです。 コロニー数 = (判定基準の細菌数 cfu/mL) ÷ (希釈倍率) × (接種量 mL) = 1×10^5 cfu/mL ÷ 100 × 0.01 mL = 10個。したがって、10個のコロニーが観察されれば、尿路感染症の原因と判断できる細菌数に達していることになります。
選択肢ごとの解説
- 1. 目標とする細菌数(1×10^5 cfu/mL)には、培養されたコロニー数が10個必要です。1個では少なすぎます。正しくは:正解は10です。選びやすい理由:計算過程でどこかを見落とした場合、この数字を誤って選択する可能性があります。混同注意:希釈倍率や接種量、判定基準のいずれかの値と混同している可能性があります。
- 2. 正解。尿中の細菌数が1×10^5 cfu/mLの場合、100倍希釈した尿を10μL(0.01mL)培養すると、プレート上には1×10^5 cfu/mL ÷ 100(希釈倍率) × 0.01 mL(接種量) = 10個のコロニーが形成されます。
- 3. 100個のコロニーは、計算の途中で希釈倍率を考慮しなかった場合や、接種量を間違えた場合に導かれる可能性があります。また、1×10^7 cfu/mLに相当します。正しくは:正解は10です。選びやすい理由:希釈倍率が100倍であることから、この数字を選びやすいかもしれません。混同注意:希釈倍率とコロニー数を混同している可能性があります。
- 4. 1,000個のコロニーは、大幅な計算間違いか、別の基準値を想定している場合に発生します。1×10^8 cfu/mLに相当します。正しくは:正解は10です。選びやすい理由:特定の計算ミスや、桁の大きな数字への誘惑があるかもしれません。混同注意:希釈倍率、接種量、または判定基準のいずれかの値を誤って適用している可能性があります。
- 5. 10,000個のコロニーは、計算の桁が大きく異なる場合に得られます。1×10^9 cfu/mLに相当します。正しくは:正解は10です。選びやすい理由:より重度の感染を想定した場合など、高すぎるコロニー数を選びたくなるかもしれません。混同注意:全ての計算要素(希釈倍率、接種量、判定基準)を誤って組み合わせている可能性があります。
国試ポイント
この問題は、微生物検査における尿定量培養の基本原理と計算方法を理解しているかを問うものです。特に、希釈倍率、接種量、そして培養後のコロニー数から元の検体中の細菌濃度を逆算する能力が求められます。国試では、このような計算問題が頻繁に出題され、各数値の意味を正確に把握していることが重要です。
混同注意
希釈倍率と接種量の関係、cfu/mLの単位換算、そして尿路感染症の診断基準値が混同しやすいポイントです。特に、10μLを0.01mLに換算し忘れる、あるいは100倍希釈を単純に割り算としか考えないといったミスが誘発されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次回同様の問題が出題された場合、まず尿路感染症の診断基準値(1×10^5 cfu/mL)を正確に認識し、次に希釈倍率と培養に用いた尿量(μLからmLへの変換)を正確に把握した上で、計算式に当てはめて解答を導き出す必要があります。特に、接種量10μLが0.01mLであることを見落とさないよう注意が必要です。
関連知識
尿路感染症の診断基準(通常10^5 cfu/mL以上)、定量培養法の種類(白金耳法、スパイラルプレーティング法など)、CFU(Colony Forming Unit)の概念、希釈系列の作成方法、細菌数の算出計算式。