発作性寒冷ヘモグロビン尿症でみられる所見はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
発作性寒冷ヘモグロビン尿症は、P抗原に特異性を持つ二相性溶血抗体であるDonath-Landsteiner抗体によって引き起こされる自己免疫性溶血性貧血の一種です。この抗体は低温で赤血球のP抗原に結合し、体温上昇とともに補体を活性化させて溶血を起こします。したがって、P血液型のP抗原が赤血球上に存在することが溶血の前提条件となります。Donath-Landsteiner反応はこの抗体の存在を証明する診断的検査であり、発作性寒冷ヘモグロビン尿症では陽性となります。Ham試験はPNHの検査であり、直接Coombs試験は補体C3dが結合するため陽性を示すのが一般的です。補体は消費されるため、補体価は低下します。
選択肢ごとの解説
- 1. Ham試験は発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断に用いられる検査であり、発作性寒冷ヘモグロビン尿症とは関連がありません。正しくは:Ham試験は発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断に用いられる。選びやすい理由:溶血性貧血の鑑別で、発作性寒冷ヘモグロビン尿症と発作性夜間ヘモグロビン尿症は両方ともヘモグロビン尿症を伴うため、混同しやすいです。混同注意:発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
- 2. 発作性寒冷ヘモグロビン尿症では、低温環境下で二相性溶血抗体(Donath-Landsteiner抗体)が赤血球に結合し、体温上昇に伴い補体が活性化されて血管内溶血が起こります。この過程で補体が消費されるため、補体価は低下することが一般的です。正しくは:補体価CH50は低下する。選びやすい理由:補体が関与しているため、その働きを誤解して高値と考える可能性があります。混同注意:補体の活性化と消費
- 3. 発作性寒冷ヘモグロビン尿症では、赤血球表面に補体C3が結合するため、直接Coombs試験(抗C3d血清を使用した場合)は陽性を示すのが特徴です。正しくは:直接Coombs試験(抗C3d血清を使用した場合)は陽性を示す。選びやすい理由:Coombs試験は自己免疫性溶血性貧血の診断に用いられますが、発作性寒冷ヘモグロビン尿症における抗体(Donath-Landsteiner抗体)の特殊性やC3dの結合を見落とし、「直接型」という言葉から通常のIgG抗体のみを連想してしまうと、陰性と誤解する可能性があります。混同注意:通常の温式自己免疫性溶血性貧血と低温における補体結合
- 4. 正解。Donath-Landsteiner抗体(二相性溶血抗体)は、赤血球のP抗原に特異的に反応する自己抗体であり、発作性寒冷ヘモグロビン尿症の病態の根幹をなします。そのため、P血液型のP抗原が赤血球上に存在することが溶血反応の前提となります。選びやすい理由:この選択肢は、Donath-Landsteiner抗体の標的抗原を直接的に示しており、疾患の本質的な特徴を捉えています。混同注意:他の血液型抗原
- 5. Donath-Landsteiner反応は、発作性寒冷ヘモグロビン尿症の診断に用いられる最も重要な検査であり、この反応が陽性であることで疾患が確定されます。陰性であればこの疾患である可能性は低いです。正しくは:Donath-Landsteiner反応は陽性となる。選びやすい理由:疾患名に「Donath-Landsteiner」が含まれるため、この反応が重要であることは認識しやすいですが、陽性か陰性かを取り違える可能性があります。混同注意:Donath-Landsteiner反応の陽性と陰性の意味
国試ポイント
発作性寒冷ヘモグロビン尿症の病態生理、特にDonath-Landsteiner抗体の特性(標的抗原、二相性溶血)、診断的検査(Donath-Landsteiner反応、直接Coombs試験での補体結合)、および類似疾患(PNHなど)との鑑別点が問われています。
混同注意
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、自己免疫性溶血性貧血(温式、寒冷凝集素症)、Ham試験、Coombs試験の解釈。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、Donath-Landsteiner抗体の特徴、P抗原の役割、および診断に用いられる検査(特にDonath-Landsteiner反応と直接Coombs試験における補体結合)の陽性/陰性の結果と、その疾患における意義を正確に理解しているかを確認します。
関連知識
Donath-Landsteiner抗体の性質(IgGクラス、二相性溶血)、P抗原の概要、補体経路(古典経路)、直接Coombs試験の原理と抗C3d血清の役割、発作性寒冷ヘモグロビン尿症の臨床症状と治療の基本。