モノクローナル抗体について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
モノクローナル抗体は、特定の単一エピトープにのみ結合する高い特異性を持つため、細胞表面抗原の識別、特にリンパ球のサブセット解析(例:CDマーカーによる分類)に非常に有効です。フローサイトメトリーなどで特定の細胞集団を正確に検出・定量するために不可欠なツールとして利用されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 沈降反応には、多種多様な抗体を含むポリクローナル抗体の方が、複合体を形成しやすく適しています。モノクローナル抗体は単一のエピトープに結合するため、多価抗原に対しては沈降反応を起こしにくい傾向があります。正しくは:凝集反応や沈降反応にはポリクローナル抗体がより適している。選びやすい理由:抗体なので何らかの免疫反応に用いられるという点で迷うかもしれませんが、具体的な反応形式への適性を理解しているかが問われます。混同注意:ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体のそれぞれの特性と、適した免疫学的反応を混同しやすいです。
- 2. モノクローナル抗体は、抗体産生細胞(形質細胞)と骨髄腫細胞を融合させて作製するため、IgMを含む任意の免疫グロブリンクラスの抗体を作製することが可能です。実際に、IgMモノクローナル抗体も作製されています。正しくは:IgMクラスの抗体も作製できる。選びやすい理由:モノクローナル抗体のクラス選択に特定の制限があるかのように思われるかもしれませんが、実際には様々なクラスの抗体が作製可能です。混同注意:抗体クラススイッチの概念と、ハイブリドーマ法によるモノクローナル抗体作製を混同しやすいです。
- 3. 正解。モノクローナル抗体は、特定の細胞表面抗原(CD抗原など)を高い特異性で認識するため、フローサイトメトリーなどを用いたリンパ球サブセットの分類や、細胞表面マーカーの検出に広く活用されます。選びやすい理由:具体的な応用例として、医療現場で頻繁に用いられていることを知っていれば、容易に正解できます。
- 4. モノクローナル抗体は、単一のB細胞クローンから産生されるため、単一のエピトープ(抗原決定基)のみを認識します。複数のエピトープに反応する抗体群はポリクローナル抗体の特徴です。正しくは:単一のエピトープに反応する抗体である。選びやすい理由:抗体一般の機能として抗原への結合を想起させますが、「様々なエピトープ」という点がモノクローナル抗体の定義と異なります。混同注意:ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の基本的な定義(認識するエピトープの種類)を混同しやすいです。
- 5. モノクローナル抗体は、抗体産生能を持つBリンパ球(形質細胞)と、無限増殖能を持つ骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)を融合させて作製します。Tリンパ球は抗体を産生しないため、このプロセスには関与しません。正しくは:Bリンパ球と骨髄腫細胞のハイブリドーマから作製される。選びやすい理由:免疫系の細胞であるリンパ球が関与するという点では合っていますが、Tリンパ球は抗体産生に直接関与しないため、誤りです。混同注意:Tリンパ球とBリンパ球のそれぞれの役割、特に抗体産生における役割を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、モノクローナル抗体の基本的な特性、特にその「単一性」と「特異性」がどのような応用分野で活かされるかを理解しているかを問うものです。ポリクローナル抗体との違いや、作製原理に関する知識も重要です。
混同注意
モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の特徴(認識エピトープの種類、作製方法、適した反応)を混同しやすい。また、抗体作製に関わる細胞の種類(B細胞、T細胞、骨髄腫細胞)や、各免疫グロブリンクラスの抗体産生可能性についても誤解が生じやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、モノクローナル抗体の治療応用(抗体医薬)や、診断応用(ELISA、免疫染色など)についても問われる可能性があるため、さらに幅広い知識が求められるかもしれません。
関連知識
モノクローナル抗体の作製原理(ハイブリドーマ法)、フローサイトメトリーの原理と応用、主要な免疫細胞の機能(B細胞、T細胞、形質細胞)、CD抗原の種類と役割。