腫瘍マーカーと腫瘍の組合せで誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)は、肺小細胞癌の腫瘍マーカーとして確立されており、膵癌のマーカーとしては用いられません。膵癌の主要な腫瘍マーカーはCA19-9、CEAなどです。したがって、ProGRPと膵癌の組み合わせは適切ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. CYFRAは肺扁平上皮癌の腫瘍マーカーとして広く用いられています。肺腺癌や小細胞癌でも上昇することがありますが、特に扁平上皮癌で有用性が高いとされています。選びやすい理由:他の選択肢に明確な誤りがある場合、正しく見えるため。混同注意:他の肺癌マーカー(例: CEA、SLXなど)との区別。
- 2. hCGは絨毛癌の診断、病期分類、治療効果判定、および再発モニタリングにおいて非常に重要な腫瘍マーカーです。胎盤組織由来の腫瘍である絨毛癌では、hCGが高値を示します。選びやすい理由:非常に有名な組み合わせであるため、誤りとは考えにくい。混同注意:妊娠時の生理的なhCG上昇と病的な上昇の区別。
- 3. NSEは神経内分泌細胞由来の腫瘍、特に肺小細胞癌の腫瘍マーカーとして確立されています。診断、病期分類、治療効果の評価に用いられます。選びやすい理由:肺癌における主要なマーカーの一つであるため。混同注意:他の肺癌マーカー(例: ProGRP)との関連性。
- 4. PIVKA-IIは肝細胞癌の腫瘍マーカーとして知られており、特にAFPとの併用で診断感度が向上します。ビタミンK欠乏やワルファリン投与でも上昇しますが、腫瘍マーカーとしては肝細胞癌との関連が強いです。選びやすい理由:AFPと並ぶ肝細胞癌の主要なマーカーであるため。混同注意:AFP (α-フェトプロテイン) との比較や、PIVKA-IIが上昇する他の病態。
- 5. 正解。ProGRPは主に肺小細胞癌の腫瘍マーカーとして使用されます。膵癌の腫瘍マーカーとしては、CA19-9やCEA、SPAN-1などが一般的であり、ProGRPは通常関連がありません。正しくは:ProGRPは肺小細胞癌の腫瘍マーカーである。選びやすい理由:ProGRPという名前がGRP(ガストリン放出ペプチド)と似ており、ガストリンが消化器系ホルモンであるため、漠然と膵臓と関連があるように錯覚しやすいかもしれない。混同注意:NSE(肺小細胞癌の別のマーカー)や、CA19-9、CEA(膵癌の主要マーカー)との区別。
国試ポイント
腫瘍マーカーと、それらが特異的に上昇する主要な腫瘍との正しい組み合わせを理解しているかが問われています。特に、特定の腫瘍マーカーがどの臓器や組織の腫瘍と関連するかを正確に覚えている必要があります。
混同注意
各腫瘍マーカーがどの癌に特異的であるか、あるいはどの癌で主に用いられるかが混同しやすいポイントです。特に、似たような名前のマーカーや、複数の癌で上昇しうるマーカーについては注意が必要です。例えば、肺癌にはCYFRA、NSE、ProGRPなど複数のマーカーがあり、それぞれ異なる組織型と関連が強いことを理解しておく必要があります。また、消化器系の癌マーカーも多数存在し、その特異性を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後この論点が出題された場合、腫瘍マーカーの特異性と感度、および異なる癌種におけるマーカーの使い分けについて、より詳細な知識が問われる可能性があります。特に、最新のガイドラインで推奨されるマーカーの組み合わせや、個別化医療におけるマーカーの役割も重要になるでしょう。また、特定の疾患での偽陽性(例:炎症性疾患でのCA19-9上昇など)についても問われる可能性があります。
関連知識
各腫瘍マーカーの生理的意義、測定原理、偽陽性・偽陰性となる要因、他のマーカーとの組み合わせによる診断精度の向上、スクリーニング・診断・治療効果判定・再発モニタリングにおける役割。