作用機序と抗菌薬の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
テトラサイクリン系抗菌薬は、細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合することでタンパク質合成を阻害します。これは正しい組み合わせです。他の選択肢は、作用機序と抗菌薬の組み合わせが誤っています。アミノグリコシド系もタンパク質合成阻害ですが、細胞質膜障害ではありません。グリコペプチド系は細胞壁合成阻害で、核酸合成阻害ではありません。β-ラクタム系は細胞壁合成阻害で、葉酸合成阻害ではありません。キノロン系は核酸合成阻害で、細胞壁合成阻害ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. アミノグリコシド系抗菌薬の主な作用機序は、細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害することです。細胞質膜障害はポリミキシン系などの作用機序です。正しくは:細胞質膜障害 ― ポリミキシン系、または 蛋白合成阻害 ― アミノグリコシド系選びやすい理由:様々な抗菌薬の作用機序が問われるため、知識が曖昧な場合に選びやすいかもしれません。混同注意:細胞質膜障害と他の合成阻害作用(タンパク質、核酸など)との混同。
- 2. グリコペプチド系抗菌薬(バンコマイシンなど)の主な作用機序は、細菌の細胞壁ペプチドグリカン合成を阻害することです。核酸合成阻害は、キノロン系やサルファ剤(間接的に)などの作用機序です。正しくは:核酸合成阻害 ― キノロン系、または 細胞壁合成阻害 ― グリコペプチド系選びやすい理由:作用機序と薬剤の組み合わせが多岐にわたるため、不正確な知識で選択してしまう可能性があります。混同注意:核酸合成阻害と細胞壁合成阻害の混同。
- 3. 正解。テトラサイクリン系抗菌薬は、細菌のリボソーム30Sサブユニットに結合し、アミノアシルtRNAの結合を阻害することで、タンパク質合成を抑制します。この組み合わせは正しいです。
- 4. β-ラクタム系抗菌薬(ペニシリン、セフェムなど)の主な作用機序は、細菌の細胞壁合成を阻害することです。葉酸合成阻害は、サルファ剤やトリメトプリムなどの作用機序です。正しくは:葉酸合成阻害 ― サルファ剤、または 細胞壁合成阻害 ― β-ラクタム系選びやすい理由:両者とも抗菌薬として有名であるため、誤って結びつけてしまう可能性があります。混同注意:葉酸合成阻害と細胞壁合成阻害の混同。
- 5. キノロン系抗菌薬の主な作用機序は、細菌のDNAジャイレースやトポイソメラーゼIVを阻害し、核酸(DNA)合成を抑制することです。細胞壁合成阻害は、β-ラクタム系やグリコペプチド系などの作用機序です。正しくは:細胞壁合成阻害 ― β-ラクタム系、または 核酸合成阻害 ― キノロン系選びやすい理由:キノロン系は広範囲の抗菌作用を持つため、その作用機序を誤解しやすいかもしれません。混同注意:細胞壁合成阻害と核酸合成阻害の混同。
国試ポイント
抗菌薬の主要な作用機序(細胞壁合成阻害、蛋白合成阻害、核酸合成阻害、葉酸合成阻害、細胞質膜障害など)と、それぞれの作用機序に属する代表的な抗菌薬の分類を正確に理解しているかを問う問題です。特に、よく知られた薬剤の作用機序が問われやすい傾向があります。
混同注意
各抗菌薬系統が作用するターゲット(リボソーム、細胞壁、DNAジャイレース、葉酸代謝酵素など)と、その結果として阻害される生体プロセス(タンパク質合成、細胞壁合成、核酸合成、葉酸合成など)が混同されやすいです。特に似た作用機序を持つ系統(例:タンパク質合成阻害薬のテトラサイクリン系とアミノグリコシド系)や、異なる作用機序を持つ系統の区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず提示された抗菌薬の系統が、どの生体プロセスに作用するかを正確に確認する。次に、その生体プロセスが選択肢の作用機序と一致するかを照合することで正誤を判断します。特に主要な5-6種類の作用機序と、それぞれ2-3種類の代表的な薬剤系統を確実に覚えることが重要です。
関連知識
抗菌薬の分類(ペニシリン系、セフェム系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、キノロン系、グリコペプチド系、サルファ剤、ポリミキシン系など)、それぞれの作用スペクトル、副作用、耐性菌の出現メカニズムについても関連知識として押さえておく必要があります。