Pseudomonas aeruginosaに対して抗菌力を有するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は、多くの常用抗菌薬に対して自然耐性を持つ難治性の細菌です。カルバペネム系のイミペネムは、緑膿菌を含む広範囲の多剤耐性菌に対して強力な抗菌活性を示します。他の選択肢の抗菌薬(アンピシリン、セファゾリン、セフォタキシム、セフメタゾール)は、緑膿菌に対して抗菌力をほとんど持たないか、臨床的に不十分です。
選択肢ごとの解説
- 1. アンピシリンはペニシリン系の抗菌薬ですが、緑膿菌には一般的に抗菌活性を持ちません。緑膿菌は多くのβ-ラクタム系抗菌薬に耐性を示すため、緑膿菌感染症の治療には通常選択されません。正しくは:アンピシリンは広域スペクトラムのペニシリンですが、緑膿菌には無効です。選びやすい理由:一般的なグラム陰性菌に有効なため、緑膿菌にも効果があるのではと誤解しやすい。混同注意:グラム陽性菌や一部のグラム陰性菌(大腸菌、サルモネラ菌など)に対する活性と混同しやすい。
- 2. 正解。イミペネムはカルバペネム系の抗菌薬であり、緑膿菌に対して優れた抗菌力を有します。カルバペネム系薬は、緑膿菌を含む広範囲の細菌に非常に強力な抗菌作用を示すため、重症感染症や多剤耐性菌による感染症の治療に用いられます。
- 3. セファゾリンは第一世代セフェム系の抗菌薬であり、グラム陽性菌に強い抗菌力を持ちますが、緑膿菌には抗菌活性を持ちません。緑膿菌は多くの第一世代・第二世代セフェム系抗菌薬に対して耐性を示します。正しくは:セファゾリンは第一世代セフェム系であり、緑膿菌には無効です。選びやすい理由:セフェム系という名前から広範囲に効くように思えるかもしれないが、世代によってスペクトラムが異なることを理解していないと間違えやすい。混同注意:他のセフェム系抗菌薬(特に第三世代以降の緑膿菌に有効なもの)の抗菌スペクトラムと混同しやすい。
- 4. セフォタキシムは第三世代セフェム系の抗菌薬であり、グラム陰性菌に幅広い抗菌力を示しますが、緑膿菌に対する抗菌力は限定的であるか、ほとんどありません。第三世代セフェム系の中でも、緑膿菌に有効なものは限られています(例:セフタジジム)。正しくは:セフォタキシムは第三世代セフェムですが、緑膿菌には抗菌力が乏しいです。選びやすい理由:第三世代セフェムがグラム陰性菌に強いイメージがあるため、緑膿菌にも効くのではと誤解しやすい。混同注意:同じ第三世代セフェム系でも、セフタジジムなど緑膿菌に有効な薬剤と混同しやすい。
- 5. セフメタゾールはセファマイシン系の抗菌薬(第二世代セフェム系に分類されることもある)であり、嫌気性菌を含む広範囲の細菌に抗菌活性を示しますが、緑膿菌には抗菌力がありません。正しくは:セフメタゾールは第二世代セフェムに近い抗菌薬であり、緑膿菌には無効です。選びやすい理由:幅広いスペクトラムを持つため、緑膿菌にも有効だと勘違いしやすい。混同注意:嫌気性菌に対する活性や、他のグラム陰性菌に対する活性と混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、主要な抗菌薬の抗菌スペクトラム、特に緑膿菌に対する有効性を問うものです。緑膿菌は医療関連感染の重要な原因菌であり、その治療には特定の抗菌薬が用いられるため、臨床検査技師としてこれらの知識は必須です。各抗菌薬の系統と、どの菌種に有効・無効かを正確に理解しているかが問われます。
混同注意
セフェム系抗菌薬の中で、世代によって緑膿菌への有効性が異なる点(例:第三世代でもセフタジジムは有効だがセフォタキシムは無効)が混同されやすい。また、広域スペクトラム抗菌薬が全て緑膿菌に有効であるという誤解も招きやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各抗菌薬の分類(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、フルオロキノロン系など)と、それぞれの代表的な抗菌スペクトラム(特に緑膿菌、MRSA、ESBL産生菌など主要な耐性菌への有効性)を確認します。
関連知識
緑膿菌に抗菌力を持つ他の薬剤としては、ピペラシリン/タゾバクタム(PC系)、セフタジジム(第三世代セフェム)、セフェピム(第四世代セフェム)、アズトレオナム(モノバクタム)、ゲンタマイシンやアミカシンなどのアミノグリコシド系、シプロフロキサシンやレボフロキサシンなどのフルオロキノロン系、コリスチンなどが挙げられる。