ナトリウムを測定する電極はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
ナトリウムイオン選択性電極の感応膜としては、組成を調整したガラス膜や、クラウンエーテル類(特に15-クラウン-5エーテル誘導体など)が広く使用されます。ガラス電極はpH電極としても知られていますが、ナトリウムイオンに選択性を持たせた特殊なガラス電極も存在します。クラウンエーテルは、その環状構造が特定のイオンサイズに合致することで、高い選択性を示す特性を利用します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ガラス電極は、その組成を調整することでナトリウムイオンに対する選択性を高めることが可能です。特に、ナトリウムイオン選択性電極として広く利用されています。
- 2. 正解。クラウンエーテルは、特定の金属イオンを包接する性質を持つ合成化合物であり、その環の大きさをナトリウムイオンに最適化することで、ナトリウムイオン選択性電極の感応膜として利用されます。
- 3. 酵素は、生体内の特定の物質(基質)と特異的に反応するタンパク質であり、通常、グルコース電極や尿素電極など、基質の濃度を測定するバイオセンサーに用いられますが、直接ナトリウムイオンを測定するための電極ではありません。正しくは:酵素電極は、グルコース、尿素、乳酸などの特定の有機分子の測定に用いられます。選びやすい理由:バイオセンサーの文脈でよく出てくるため、選択肢として目を引くかもしれません。混同注意:イオン選択性電極とバイオセンサーの原理を混同することがあります。
- 4. 第4級アンモニウム塩は、主に塩素イオンなどの陰イオン選択性電極の感応膜として使用されることがあります。陽イオンであるナトリウムイオンの測定には適しません。正しくは:第4級アンモニウム塩は、主に塩素イオンなどの陰イオン選択性電極に用いられます。選びやすい理由:有機化合物であり、電極膜に利用されることがあるため、関連性を感じるかもしれません。混同注意:陽イオン選択性電極と陰イオン選択性電極の感応膜材料を混同する可能性があります。
- 5. バリノマイシンは、カリウムイオンに対して非常に高い選択性を示す抗生物質であり、カリウムイオン選択性電極の感応膜として用いられます。ナトリウムイオンの測定には適しません。正しくは:バリノマイシンは、カリウムイオン選択性電極に用いられます。選びやすい理由:イオン選択性電極の膜材料として有名であるため、知識があるほど間違って選んでしまう可能性があります。混同注意:ナトリウムイオンとカリウムイオンの選択性電極の材料を混同しやすいです。どちらもアルカリ金属イオンです。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、主要な電解質(ナトリウム、カリウム、クロールなど)を測定するためのイオン選択性電極の原理と、それに使用される主要な感応膜材料について問われることが多いです。特に、選択性が高く、臨床検査で頻繁に用いられる物質を正確に覚えているかが問われます。
混同注意
ナトリウムイオン電極とカリウムイオン電極の感応膜材料(特にバリノマイシンとクラウンエーテル)は混同しやすいため注意が必要です。また、イオン選択性電極と酵素電極(バイオセンサー)の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、主要な電解質(Na, K, Cl)それぞれのイオン選択性電極に使われる代表的な感応膜材料を正確に区別できるか、さらにグルコースや尿素など酵素電極で測定される項目と感応膜材料の組み合わせも確認すると良いでしょう。
関連知識
イオン選択性電極(ISE)は、特定のイオンに対する選択的な感応膜を用いて電位差を測定し、イオン濃度を求める電気化学分析法です。この原理は、血液中の電解質濃度測定に広く応用されています。pH電極も一種のイオン選択性電極(水素イオン選択性電極)です。