腹水検査で滲出液を示唆する所見はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
腹水検査において、漏出液と滲出液を鑑別する主要な基準の一つに蛋白濃度があります。一般的に、腹水蛋白濃度が2.5g/dLまたは3.0g/dL以上であれば滲出液と判断されます。選択肢4の4.5g/dLは、この基準を明らかに超えており、滲出液であることを強く示唆します。その他の選択肢は漏出液を示唆するか、鑑別診断に直接結びつかない所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 滲出液の場合、LD値は通常、血清LD値の2/3よりも高く、また、腹水LD値が約200U/L以上であれば滲出液と判断されることが多いです。140U/Lは漏出液の範囲内である可能性が高いです。正しくは:LD値が200U/L以上であれば滲出液を示唆します(血清LD値との比率も重要)。選びやすい理由:LD値は腹水の鑑別診断に用いられるため、数値が提示されると判断に迷うかもしれません。混同注意:漏出液と滲出液のLD値の基準(絶対値および血清との比率)
- 2. 比重が1.015以下であれば漏出液、1.018以上であれば滲出液と判断されることが多いです。1.014は漏出液を示唆する値です。正しくは:比重が1.018以上であれば滲出液を示唆します。選びやすい理由:比重も鑑別診断に用いられる主要な項目であるため、判断に迷うかもしれません。混同注意:漏出液と滲出液の比重の基準値
- 3. 腹水の細胞数が100個/μL未満であれば漏出液と判断されることが多いです。15個/μLは漏出液の範囲です。正しくは:細胞数が100個/μL以上であれば滲出液、特に炎症が強い場合はさらに高値となります。選びやすい理由:細胞数も重要な鑑別ポイントですが、基準値を正確に覚えていないと誤って選択する可能性があります。混同注意:漏出液と滲出液の細胞数の基準値
- 4. 正解。滲出液の腹水蛋白濃度は通常2.5~3.0g/dL以上であり、特に3.0g/dL以上であれば滲出液と診断されます。4.5g/dLはこの基準を大きく上回るため、滲出液の典型的な所見です。選びやすい理由:特になし。滲出液の最も明確な診断基準の一つ。混同注意:漏出液と滲出液の蛋白濃度(Lightの基準など)
- 5. 正常な腹水や漏出液では中皮細胞が主な細胞成分です。滲出液、特に悪性腫瘍や炎症性疾患では、異型細胞や炎症細胞(好中球、リンパ球など)が主体となることが多いです。正しくは:中皮細胞の割合が低いか、異型細胞や炎症細胞が主体であれば滲出液を示唆します。選びやすい理由:中皮細胞が腹水中に存在することは事実ですが、それが滲出液を示唆するわけではない点を誤解しやすいです。混同注意:正常または漏出液における中皮細胞の出現と、滲出液における異型細胞・炎症細胞の出現
国試ポイント
腹水検査における漏出液と滲出液の鑑別診断基準(特に蛋白濃度、LD、比重、細胞数など)について、基準値とそれぞれの液性の特徴を理解しているか問う問題です。
混同注意
漏出液と滲出液の各検査項目の基準値(特にLD値、比重、細胞数、蛋白濃度)が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後、腹水・胸水の鑑別診断が出題された場合、Lightの基準(特に蛋白比、LD比、LD絶対値)をまず確認し、それに加えて細胞数や比重の基準値も正確に覚えているかを確認する。
関連知識
Lightの基準(胸水鑑別)、肝硬変に伴う腹水(漏出液)、悪性腫瘍や炎症性疾患に伴う腹水(滲出液)