健常者の脳脊髄液中の値が新生児で成人より高いのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では3・4のいずれも正解とされています。 新生児の脳脊髄液は、血液脳関門の未熟性により血漿成分が漏出しやすく、総蛋白濃度が成人より高くなります。また、出生時の刺激や生理的な要因により、微量ながら細胞数も成人より多く認められることがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 新生児の脳脊髄液中の糖濃度は、成人よりも低いか同程度です。これは、新生児の脳の糖利用が活発であるためと考えられます。正しくは:新生児の脳脊髄液中の糖濃度は、成人よりも低いか同程度である。選びやすい理由:血液中の糖濃度が比較的高いことを連想し、脳脊髄液中の糖も高いと誤解する可能性がある。混同注意:血糖値と脳脊髄液中の糖濃度の関連性
- 2. 健常新生児の脳脊髄液中のIgG濃度は、成人よりも低いのが一般的です。これは血液脳関門が未熟であることや、IgGの産生能が未発達であるためです。正しくは:健常新生児の脳脊髄液中のIgG濃度は、成人よりも低い。選びやすい理由:母体からの移行抗体を連想し、全体的な免疫グロブリンレベルが高いと錯覚する可能性がある。混同注意:血清IgG濃度と脳脊髄液IgG濃度
- 3. 正解。新生児、特に未熟児では血液脳関門が未熟なため、血中の蛋白質が脳脊髄液中に移行しやすく、総蛋白濃度は成人よりも高値を示します。
- 4. 正解。新生児の脳脊髄液では、出生時の刺激や血液脳関門の未熟性により、わずかなリンパ球や単球などの細胞が検出されることがあり、健常成人より細胞数が多いとされます。ただし、これは微量であり、明らかな炎症とは異なります。
- 5. 脳脊髄液中のクロール濃度は、血液中のクロール濃度よりもやや高値を示すのが一般的ですが、新生児と成人で比較した場合、新生児が成人より特に高いということはありません。むしろ、成人と同程度かやや低値を示すことがあります。正しくは:新生児の脳脊髄液中のクロール濃度は、成人よりも特に高くはない。選びやすい理由:電解質バランスの変化を漠然と連想し、高くなると誤解する可能性がある。混同注意:血清電解質濃度と脳脊髄液電解質濃度
国試ポイント
脳脊髄液の正常値、特に年齢による生理的変動(新生児と成人との比較)が問われる。血液脳関門の機能と関連付けて理解しているかが重要。
混同注意
新生児の生理的特徴と病的な変化の区別。特に細胞数は、わずかな増加であっても病態と混同しやすい。IgGは母体からの移行抗体があるため血清では高いが、脳脊髄液では別。
次に同じ論点が出たら
新生児の脳脊髄液異常値に関する問題が出た場合、生理的変動か病的な変化かを見極めるために、他の項目(例:髄液/血糖比、乳酸、特定の細胞成分の有無など)や臨床症状と合わせて判断できるかを確認する。
関連知識
脳脊髄液の採取部位、組成、生理的役割、主要成分の正常基準値(糖、蛋白、細胞数、クロール、髄液/血糖比、IgG指数など)。血液脳関門の機能と、その発達段階による影響。