パニック値として報告すべきなのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
血清カリウム値7.0 mmol/Lは重度の高カリウム血症を示し、致死的な不整脈や心停止のリスクがあるため、パニック値として直ちに臨床医に報告し、緊急的な対応が求められます。他の選択肢は、基準範囲内であるか、あるいは異常値であっても緊急性が低いものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。血清カリウム値が7.0 mmol/Lは高カリウム血症の非常に重篤な状態であり、心停止のリスクがあるため、パニック値として直ちに報告し、緊急の処置が必要です。一般的に、K>6.0-6.5mmol/L以上はパニック値とされます。
- 2. 血清ナトリウム値130 mmol/Lは軽度な低ナトリウム血症(基準範囲135-145 mmol/L)に該当しますが、直ちに生命を脅かすようなパニック値の範囲ではありません。通常、120 mmol/L以下になると重篤性が増します。正しくは:パニック値となるのは、通常120 mmol/L以下(低Na血症)や160 mmol/L以上(高Na血症)など、より極端な値です。選びやすい理由:基準範囲から外れているため、異常値と認識しやすい。混同注意:軽度の異常値と、緊急性の高いパニック値との区別。
- 3. LD値300 U/Lは基準範囲(通常120-240 U/L程度)をわずかに超える程度であり、心筋梗塞などでみられる非常に高い値(数千U/L)と比較すると緊急性は低く、パニック値には該当しません。正しくは:LDのパニック値は通常設定されませんが、非常に高い値(例:2000 U/L以上)であれば、溶血性貧血や重度の組織損傷などの可能性があり、報告の優先度が上がります。選びやすい理由:異常値であるため、何らかの問題があると判断しやすい。混同注意:LDの異常値と、緊急性の高い他の検査項目との区別。心筋梗塞などでLDが上昇することは知っていても、どの程度の値が危険かまで把握していない場合。
- 4. 血小板数50万/μLは、正常範囲(通常15万~40万/μL)をやや上回る軽度の血小板増加症ですが、直ちに生命を脅かすパニック値ではありません。血栓症のリスクはありますが、緊急性は低いです。正しくは:パニック値となるのは、通常5万/μL以下(出血リスク)や100万/μL以上(血栓症リスク)など、極端な値です。選びやすい理由:基準範囲から外れているため、異常値と認識しやすい。混同注意:軽度の異常値と、緊急性の高いパニック値との区別。
- 5. ヘモグロビン15.0 g/dLは、男性の基準範囲(一般的に13.0~17.0 g/dL)内であり、全く異常ではありません。したがって、パニック値には該当しません。正しくは:ヘモグロビンのパニック値は、通常7.0 g/dL以下(重度貧血)や18.0 g/dL以上(多血症)など、極端な値です。選びやすい理由:他の選択肢が異常値であるため、これも異常値の一つかと錯覚する可能性。女性の基準範囲(11.5~15.0 g/dL)と比較してわずかに高いと誤解する可能性。混同注意:基準範囲の正確な知識不足。性別による基準範囲の違い。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、検査結果の数値が何を意味し、特にどの値が緊急性を要する『パニック値』として報告すべきか、その判断能力が問われます。各検査項目の基準範囲と、そこから逸脱した場合の臨床的意義、特に生命に直結する危険な数値を正確に把握しているかが重要です。
混同注意
通常の異常値と、緊急対応を要するパニック値(critical value)の区別。各検査項目におけるパニック値の具体的な数値範囲。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、主要な検査項目の『パニック値』を確実に覚えているかを確認する。特に、電解質異常、血糖異常、重度貧血、重度血小板減少/増加、白血球の極端な増減、血液ガス異常、重度凝固異常などに注意する。
関連知識
主要な電解質(Na, K, Ca)、血糖、血液ガス、凝固系、血算項目(Hb, Plt, WBC)などのパニック値の基準。パニック値報告のフローと手順。パニック値が示す主な疾患や病態。