新生児マス・スクリーニングの対象疾患のうち、タンデムマス法が導入されて追加されたのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
プロピオン酸血症とメチルマロン酸血症は、有機酸代謝異常症であり、特定の酵素の欠損によりプロピオン酸やメチルマロン酸などの有機酸が体内に蓄積する疾患です。これらの疾患は、従来の方法では検出が困難でしたが、タンデムマス分析法(質量分析法の一種)の導入により、微量の代謝産物を網羅的に、かつ高感度かつ迅速に測定できるようになったため、新生児マススクリーニングの対象疾患として新たに追加されました。
選択肢ごとの解説
- 1. クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)は、タンデムマス分析法導入以前から、ろ紙血による甲状腺刺激ホルモン(TSH)測定によって新生児マススクリーニングの対象疾患でした。選びやすい理由:新生児マススクリーニングの代表的な疾患であるため、対象疾患の一つとして選びやすいかもしれません。混同注意:タンデムマス分析法導入後に新たに追加された疾患群。
- 2. ガラクトース血症は、タンデムマス分析法導入以前から、ろ紙血を用いたガラクトース測定によって新生児マススクリーニングの対象疾患でした。選びやすい理由:クレチン症と同様に、従来からの代表的な新生児マススクリーニング対象疾患であり、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:タンデムマス分析法導入後に新たに追加された疾患群。
- 3. 正解。プロピオン酸血症は、有機酸代謝異常症の一つであり、タンデムマス分析法の導入により、体内のプロピオニルカルニチンなどの代謝産物を検出できるようになったため、新たに対象疾患として加わりました。選びやすい理由:タンデムマス分析法の導入によって、有機酸代謝異常症が多数追加されたことを知っていれば選びやすいです。混同注意:従来のマススクリーニング対象疾患。
- 4. ホモシスチン尿症は、アミノ酸代謝異常症の一つであり、従来から新生児マススクリーニングの対象疾患でした。タンデムマス分析法導入以前から、主に Guthrie 法(細菌発育阻止法)や蛍光法によってスクリーニングが行われていました。選びやすい理由:アミノ酸代謝異常症はタンデムマス分析法で効率的に検出される疾患が多いですが、ホモシスチン尿症自体は従来の対象疾患です。混同注意:タンデムマス分析法導入後に新たに追加されたアミノ酸代謝異常症(例:メープルシロップ尿症など)。
- 5. 正解。メチルマロン酸血症は、有機酸代謝異常症の一つであり、タンデムマス分析法の導入により、体内のメチルマロニルカルニチンなどの代謝産物を検出できるようになったため、新たに対象疾患として加わりました。選びやすい理由:プロピオン酸血症と同様に、タンデムマス分析法によって有機酸代謝異常症が多数追加されたことを知っていれば選びやすいです。混同注意:従来のマススクリーニング対象疾患。
国試ポイント
新生児マススクリーニングの対象疾患と、タンデムマス分析法の導入による対象疾患の変化を理解することが重要です。
混同注意
タンデムマス分析法で追加された疾患と、従来の対象疾患との区別をしっかり覚える必要があります。特に、アミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症の区別は重要です。
次に同じ論点が出たら
新生児マススクリーニングに関する問題が出題された場合、タンデムマス分析法の導入によって対象となった疾患群(有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症など)と、従来から対象であった疾患群(クレチン症、ガラクトース血症、フェニルケトン尿症など)を区別できるかを確認します。
関連知識
タンデムマス分析法は、多数の代謝物質を一度に、かつ迅速に分析できるため、検出できる疾患数が飛躍的に増加しました。日本においては、2014年以降、タンデムマス分析法を用いた新生児マススクリーニングが全国的に導入され、対象疾患が大幅に拡大しました。主な対象疾患群として、アミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症があります。