血清中の半減期が最も短いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
レチノール結合蛋白(RBP)は、血清中での半減期が約10〜12時間と、提示されたタンパク質の中で最も短い。これは、RBPが低分子量であり、腎臓の糸球体で容易に濾過され、尿細管で再吸収・分解されるためである。このため、RBPは急性期の栄養状態の指標として用いられることがある。
選択肢ごとの解説
- 1. IgMは血清中に約5日間の半減期で存在します。これは他の選択肢と比較して短い方ではありません。正しくは:半減期が短いとされる他のタンパク質(例:レチノール結合蛋白)を選択する必要があります。選びやすい理由:免疫グロブリンの種類によって半減期が異なるため、知識が曖昧だと他の短半減期の免疫グロブリン(例えばIgEは比較的短い)と混同する可能性があります。混同注意:半減期が最も長いIgG(約21日)とは対照的ですが、本問で最も短い選択肢とは異なります。
- 2. アルブミンは血清中で約15~20日間という比較的長い半減期を持ちます。これは体内での安定性が高く、主要なタンパク質であることを示しています。正しくは:半減期が短いタンパク質を選ぶ必要があります。アルブミンは栄養状態の長期的な指標として用いられます。選びやすい理由:血清中の濃度が最も高いため、代謝回転が速いと誤解されることがありますが、実際には半減期が長いです。混同注意:トランスサイレチン(プレアルブミン)と混同しやすいですが、半減期はアルブミンが格段に長いです。
- 3. トランスフェリンの血清半減期は約7~10日間であり、アルブミンよりは短いものの、選択肢の中で最も短いわけではありません。正しくは:半減期が短いタンパク質を選ぶ必要があります。トランスフェリンは鉄の輸送を担うタンパク質です。選びやすい理由:鉄代謝の指標としてよく使われるため、その代謝速度が速いと錯覚する可能性があります。混同注意:フェリチン(鉄の貯蔵タンパク質)など、他の鉄関連タンパク質とは機能が異なります。
- 4. トランスサイレチン(プレアルブミン)の血清半減期は約2~3日間です。これはアルブミンやトランスフェリンと比較してかなり短いですが、レチノール結合蛋白よりは長いです。正しくは:半減期がより短いタンパク質を選ぶ必要があります。トランスサイレチンは急性期の栄養状態の指標として用いられます。選びやすい理由:栄養状態の指標として半減期が短いことで知られているため、最も短いと誤解しやすい選択肢です。混同注意:アルブミンとは分子量や半減期が大きく異なり、プレアルブミンという名称が混乱を招くことがあります。
- 5. 正解。レチノール結合蛋白(RBP)は、血清中の半減期が約10~12時間(約0.5日)と非常に短いタンパク質です。これはRBPが低分子量であり、腎臓で速やかに濾過・分解されるためです。
国試ポイント
血清タンパク質の生理的機能だけでなく、その代謝回転や半減期に関する知識が問われる。特に、半減期の短いタンパク質は急性期の栄養状態や腎機能の指標として臨床的に重要であるため、それぞれのタンパク質の半減期の長さ(相対的な順序)を正確に理解しておく必要がある。
混同注意
プレアルブミン(トランスサイレチン)とアルブミンの半減期は混同しやすい。また、各タンパク質が栄養状態、炎症、肝機能、腎機能のどの指標として使われるのかも混乱しやすい点である。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各血清タンパク質の半減期の長さの順序を問われる可能性がある。また、それぞれのタンパク質がどのような臨床的指標(例:栄養状態、腎機能)として利用されるか、その理由と合わせて問われることも考えられる。特に「半減期が短い=短期的な指標」という関連性を理解しているかが重要となる。
関連知識
主要な血清タンパク質(アルブミン、免疫グロブリン、トランスフェリン、トランスサイレチン、レチノール結合蛋白など)の生理機能、分子量、濃度、半減期を理解しておく必要がある。特に、半減期の短いタンパク質(トランスサイレチン、レチノール結合蛋白)が、急性期の栄養状態の評価に用いられる理由を把握することも重要。