コレステロールの含有率が最も高いのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
LDLは肝臓で合成されたコレステロールを全身の細胞に供給する主要なリポタンパク質であり、その組成においてコレステロール(特にコレステロールエステル)を他のリポタンパク質と比較して最も多く含んでいます。
選択肢ごとの解説
- 1. 誤り。HDL(高比重リポタンパク質)は、末梢組織からコレステロールを回収し、肝臓へ戻す「逆コレステロール輸送」を担っています。主要な脂質はコレステロールとリン脂質ですが、総コレステロールの含有率はLDLよりも低いです。正しくは:LDLが最もコレステロール含有率が高いリポタンパク質です。選びやすい理由:「善玉コレステロール」としてコレステロール代謝に深く関わるため、含有率が高いと誤解しやすいですが、その役割はコレステロールを回収することであり、そのものに多く含まれているわけではありません。混同注意:LDL(悪玉コレステロール)と対比されることが多いため、機能と組成の違いが混同されやすいです。
- 2. 誤り。IDL(中間比重リポタンパク質)は、VLDLがトリグリセリドを失っていく過程で生成されるリポタンパク質です。VLDLよりはコレステロール含有率が高いものの、さらにトリグリセリドが加水分解されて生成されるLDLと比べると、コレステロールの含有率は低いです。正しくは:LDLが最もコレステロール含有率が高いリポタンパク質です。選びやすい理由:VLDLとLDLの中間的な存在であるため、コレステロール量も中間的と思われがちですが、LDLほど多くはありません。混同注意:VLDLやLDLとの関連性が高く、それぞれの主要な脂質成分の比率を混同しやすいです。
- 3. 正解。正しい。LDL(低比重リポタンパク質)は、肝臓で合成されたコレステロールを末梢組織の細胞へ運搬する主要なリポタンパク質です。その組成において、コレステロール(特にコレステロールエステル)を最も多く含んでいます。そのため、「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、高値が動脈硬化のリスク因子とされています。
- 4. 誤り。VLDL(超低比重リポタンパク質)は、主に肝臓で合成されたトリグリセリド(中性脂肪)を末梢組織へ運搬する役割を担っています。そのため、その組成の大部分はトリグリセリドであり、コレステロールの含有率は比較的低いです。正しくは:LDLが最もコレステロール含有率が高いリポタンパク質です。選びやすい理由:「超低比重」という名前から、多くの脂質を運搬しているという印象を受けやすいですが、主な内容はコレステロールではなくトリグリセリドです。混同注意:カイロミクロンと、主にトリグリセリドを運搬する点で似ていますが、VLDLは内因性(肝臓由来)、カイロミクロンは外因性(食事由来)のトリグリセリドを運びます。
- 5. 誤り。カイロミクロンは、食事由来のトリグリセリドを小腸からリンパ管を経て全身へ運搬するリポタンパク質です。その組成の約90%がトリグリセリドであり、コレステロールの含有率は非常に低く、リポタンパク質の中で最も少ない部類に入ります。正しくは:LDLが最もコレステロール含有率が高いリポタンパク質です。選びやすい理由:食事から摂取した脂質全般を運ぶというイメージから、コレステロールも多いと誤解されがちですが、圧倒的にトリグリセリドが主成分です。混同注意:VLDLと、主にトリグリセリドを運搬する点で似ていますが、カイロミクロンは外因性(食事由来)、VLDLは内因性(肝臓由来)のトリグリセリドを運びます。
国試ポイント
リポタンパク質の種類ごとの主要な構成成分(コレステロールかトリグリセリドか、アポタンパク質の種類など)とその主な機能を正確に理解しているかを確認する基本的な問題です。特に、LDLがコレステロールを、カイロミクロンやVLDLがトリグリセリドを多く運搬するという点が重要視されます。
混同注意
LDLとHDLは、いずれもコレステロールを運搬しますが、LDLは末梢への供給、HDLは末梢からの回収という逆の役割を持ち、コレステロール含有率も異なります。また、VLDLとカイロミクロンはどちらもトリグリセリドを多く含みますが、由来(内因性/外因性)が異なります。
次に同じ論点が出たら
今後、同じ論点から出題される可能性のある問題としては、「最もトリグリセリド含有率が高いのはどれか」「各リポタンパク質の主要なアポタンパク質は何か」「外因性/内因性リポタンパク質代謝経路における各リポタンパク質の役割」などが考えられます。また、リポタンパク質の物理的特性(密度、移動度)も問われることがあります。
関連知識
リポタンパク質は、密度や電気泳動パターンによって分類されます。各リポタンパク質は特有のアポタンパク質を持ち、外因性および内因性リポタンパク質代謝経路においてそれぞれの役割を担っています。これらの知識は、脂質異常症の診断や病態理解の基礎となります。