直ちに医師への連絡が必要なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
臨床検査技師は、患者の生命に関わる、または公衆衛生上の緊急性が高い検査結果が出た場合、直ちに医師に報告する義務がある。髄液からのCryptococcus neoformans検出はクリプトコックス髄膜炎を示唆し、急速な進行と重篤な予後につながるため緊急性が高い。喀痰からのMycobacterium tuberculosis検出は活動性肺結核を示唆し、感染拡大のリスクがあるため、迅速な対応が求められる。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿路感染症の原因菌としてE. coliが検出されることは一般的であり、通常は直ちに医師へ報告が必要な緊急性の高い状況とは判断されない。正しくは:通常は日常業務の一環として結果報告される。選びやすい理由:菌名だけ見ると重篤な感染症を想起するかもしれないが、検出部位を考慮する必要がある。混同注意:他の部位(例:血液)からの検出であれば緊急性が高い。
- 2. K. pneumoniaeは腸管常在菌の一つであり、糞便からの検出は特別な病原性を示さない限り、直ちに医師へ報告が必要な緊急性の高い状況とは判断されない。正しくは:通常は日常業務の一環として結果報告される。選びやすい理由:K. pneumoniaeが肺炎の原因菌として知られているため、その菌名から緊急性を連想するかもしれない。混同注意:糞便中の常在菌と、侵襲性感染症の原因菌としての区別。
- 3. 正解。髄液からのC. neoformans検出は、致命的な疾患であるクリプトコックス髄膜炎を示唆する。これは脳や脊髄の感染であり、迅速な診断と治療が必要な緊急性の高い状況であるため、直ちに医師への報告が不可欠である。
- 4. S. epidermidisは皮膚の常在菌であり、皮膚からの検出は通常、病原性を示さず、直ちに医師へ報告が必要な緊急性の高い状況とは判断されない。正しくは:通常は日常業務の一環として結果報告される。ただし、深部組織や無菌部位からの検出であれば緊急性が高まる。選びやすい理由:ブドウ球菌という名から感染症を想起するかもしれないが、菌種と検出部位の組み合わせが重要。混同注意:S. aureus(黄色ブドウ球菌)との混同。また、表皮の常在菌であることの理解不足。
- 5. 正解。喀痰からのM. tuberculosis検出は、活動性肺結核の診断を強く示唆する。結核は感染力が強く、公衆衛生上も重要な疾患であり、迅速な治療開始と感染拡大防止のため、直ちに医師への報告が義務付けられている。
国試ポイント
検体の種類と分離された微生物の組み合わせから、臨床上の緊急性を判断できるかどうかが問われる。特に、通常無菌である部位からの病原微生物検出や、公衆衛生上重要な疾患の原因菌検出がポイントとなる。
混同注意
常在菌と病原菌の区別、また同じ菌種でも検出部位によって臨床的意義が大きく異なる点を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た場合、検査結果の緊急性を判断する際には、「検体の採取部位は無菌的な部位か否か」「検出された微生物は通常その部位に存在する常在菌か否か」「検出された微生物は感染症法上の届出対象となっているか否か」といった点を考慮して判断する。
関連知識
微生物検査における検体採取部位ごとの常在菌叢、主な病原微生物とその感染部位、感染症法における届出義務のある疾患と病原体。