尿沈渣の無染色標本(別冊No. 1)を別に示す。矢印が示す構造物はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
尿沈渣の無染色標本において、矢印が指し示す結晶は、特徴的な無色透明の正六角形板状を呈している。この形態はシスチン結晶に特有のものである。他の選択肢の結晶は、それぞれ異なる形態的特徴を持つため、区別が可能である。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿酸結晶は、無色透明の菱形板状、樽状、ロゼット状、砂状など多様な形態を呈し、シスチン結晶とは異なる。強拡大で中心部が濃く見えることもあるが、六角形ではない。正しくは:尿酸結晶は、一般的に無色透明の菱形板状やロゼット状など多様な形態を示す。選びやすい理由:一見、無色の結晶に見えるため、他の無色結晶と混同しやすい。混同注意:尿酸結晶の多様な形態と混同する可能性がある。
- 2. 正解。シスチン結晶は、無染色標本において特徴的な正六角形の板状結晶として観察される。画像中の矢印が示す構造物は、このシスチン結晶の特徴と一致する。
- 3. ビリルビン結晶は、一般的に黄褐色の針状や顆粒状の形態を呈し、無色透明の六角形板状であるシスチン結晶とは色調も形態も異なる。正しくは:ビリルビン結晶は、通常、黄褐色の針状や顆粒状で観察される。選びやすい理由:結晶の種類が多いため、色調や形態を正確に覚えていないと誤る可能性がある。混同注意:他の色のついた結晶(例えば、尿酸アンモニウムなど)と混同する可能性がある。
- 4. リン酸カルシウム結晶は、通常、無定形あるいは不定形な板状、棒状、星形などを呈し、シスチン結晶のような明確な六角形板状ではない。正しくは:リン酸カルシウム結晶は、無定形または不定形な板状や棒状、あるいは星形として観察されることが多い。選びやすい理由:尿沈渣中に頻繁に出現する無色結晶の一つであるため、混同しやすい。混同注意:他の無色結晶、特にリン酸アンモニウムマグネシウム(ストラバイト)と形態を混同する可能性がある。
- 5. シュウ酸カルシウム結晶は、一般的に無色透明の八面体(包み紙状)またはダンベル状を呈し、画像に見られるような六角形板状ではない。正しくは:シュウ酸カルシウム結晶は、無色透明の八面体(包み紙状)またはダンベル状の形態で観察される。選びやすい理由:尿沈渣でよく見られる結晶であり、無色透明である点でシスチンと共通するため、形態を誤って覚えていると選択しがちである。混同注意:尿沈渣で最も頻繁に見られる結晶の一つであるため、特徴的な形態を覚えていないと混同する。
国試ポイント
尿沈渣検査における各種結晶の形態的特徴を正確に識別できるかどうかが問われる。特に、シスチン結晶の正六角形板状という特徴は重要である。
混同注意
尿酸結晶、リン酸カルシウム結晶、シュウ酸カルシウム結晶など、他の無色結晶と混同しやすい。それぞれの結晶の形態的特徴(色調、形状、大きさ)を正確に把握しておく必要がある。
次に同じ論点が出たら
画像の拡大率や、他の視野に存在する沈渣成分(赤血球、白血球、円柱など)との関連性を考慮することで、より総合的な判断が可能になる。
関連知識
シスチン尿症は遺伝性疾患であり、尿中にシスチンが過剰に排泄され、シスチン結石形成の原因となる。この結晶の検出は、診断上重要である。尿酸結晶は酸性尿、リン酸カルシウム結晶はアルカリ性尿で多くみられる傾向がある。