結核性髄膜炎において、髄液の測定値が低値となるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
結核性髄膜炎では、結核菌が髄液中の糖を消費するため髄液糖が低値となり、また炎症や菌の活動により髄液クロールも低値となる傾向があります。一方、髄液圧と髄液蛋白は炎症によって通常高値を示し、アデノシンデアミナーゼ(ADA)も結核性髄膜炎の特異的な診断マーカーとして高値を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 結核性髄膜炎では、炎症による滲出物や水頭症のために髄液圧は通常上昇します。正しくは:上昇する選びやすい理由:髄液量の変化と圧の変化を混同する可能性があるため、注意が必要です。混同注意:脳腫瘍や他の重症疾患に伴う髄液流動異常による圧の変動と混同することがあります。
- 2. 正解。結核菌が髄液中のグルコースを消費するため、髄液糖は低値になります。これは細菌性髄膜炎に共通する特徴です。
- 3. 炎症により血液脳関門の透過性が亢進し、髄液中のタンパク質濃度は通常上昇します。正しくは:上昇する選びやすい理由:炎症があるからといって、全ての成分が減少するわけではないため、変化の方向を誤解しやすいです。混同注意:他の特殊な疾患で蛋白が低下するケース(稀)と混同することがあります。
- 4. 正解。結核性髄膜炎では、炎症による血液脳関門の透過性亢進や、細菌による消費、または全身性の低クロール血症を反映して、髄液クロールが低値を示すことがあります。
- 5. 結核性髄膜炎では、結核菌に対する免疫応答によりリンパ球の活性が高まるため、アデノシンデアミナーゼ(ADA)は診断マーカーとして高値を示します。正しくは:高値となる選びやすい理由:特定の疾患マーカーであるため、異常値=低値と誤解したり、その役割を正確に覚えていない場合に間違いやすいです。混同注意:他の感染症や炎症性疾患における酵素活性の変化と混同することがあります。
国試ポイント
結核性髄膜炎における髄液所見は、細菌性髄膜炎と共通する点(糖の低下、蛋白の上昇)と、結核に特徴的な点(ADAの高値、クロールの低下)を理解しているかを問う問題です。各検査項目が病態とどのように関連するかを正確に把握しておく必要があります。
混同注意
他の種類の髄膜炎(ウイルス性、真菌性、化膿性)との髄液所見の鑑別。特に、糖は細菌性・結核性で低下、ウイルス性では正常〜軽度低下。蛋白は全般的に上昇する傾向があるが、結核性・細菌性で顕著。ADAは結核性で特異的に上昇します。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各髄膜炎(細菌性、ウイルス性、結核性、真菌性など)の鑑別における髄液所見の比較表を想起し、それぞれの疾患で「高値になるもの」「低値になるもの」「変化しないもの」を明確に区別できるようにする。
関連知識
髄液の各成分(細胞数、蛋白、糖、クロール、ADAなど)の基準値と、主要な髄膜炎(細菌性、ウイルス性、結核性)における典型的な変動パターンを覚えること。また、血液脳関門の機能と炎症による影響も理解しておく必要があります。