病理解剖時に摘出された臓器の肉眼写真(別冊No. 12)を別に示す。臓器はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
提示された画像は、暗赤色で扁平な楕円形をしており、表面が滑らかで一部に軽微な凹凸が見られます。これは脾臓の肉眼像として典型的な特徴を示しています。脾臓は、リンパ系器官であり、古くなった赤血球の処理や免疫応答に関与します。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺はガス交換を担う臓器であり、通常、気管支や肺胞構造が観察されます。画像に示す臓器の形状や表面、色調は肺とは異なります。正しくは:画像に示す臓器は脾臓であり、肺は通常、灰色がかったピンク色で、弾力性があり、多数の小葉と気管支・血管構造を持っています。選びやすい理由:臓器の形状が似て見えたり、他の臓器と混同したりすることがあるかもしれません。混同注意:肝臓や腎臓と形状を混同することが考えられます。
- 2. 心臓は血液を全身に送り出すポンプ機能を持つ臓器であり、筋肉質の壁と心房・心室などの特徴的な構造を持っています。画像に示す臓器は心臓のような形状や内部構造をしていません。正しくは:画像に示す臓器は脾臓であり、心臓は円錐形で、厚い心筋壁と弁構造を有しています。選びやすい理由:一般的な臓器の知識から選択肢に挙がりやすいですが、画像と一致しません。混同注意:他の内臓器、特に解剖学的位置が近い臓器と混同する可能性があります。
- 3. 肝臓は体内で最も大きな臓器の一つで、独特の葉状構造と門脈・肝動脈・胆管などの血管・管構造が豊富です。画像に示す臓器の形状、表面の質感、色調は肝臓とは明確に異なります。正しくは:画像に示す臓器は脾臓であり、肝臓は赤褐色で、表面は滑らかで光沢があり、左右の葉に分かれています。選びやすい理由:大きな臓器として知られているため、イメージとして選びやすいかもしれませんが、形状が異なります。混同注意:脾臓と肝臓は両方とも腹腔内の臓器であるため、混同しやすいかもしれません。
- 4. 正解。画像に示されている臓器は、暗赤色で比較的扁平な楕円形をしており、表面に浅い溝が見られることがあります。これは脾臓の典型的な肉眼所見と一致します。脾臓はリンパ系の臓器で、古くなった赤血球の破壊や免疫反応に関与します。正しくは:この選択肢が正しいです。選びやすい理由:特にありません。脾臓の肉眼像を知っていれば正答できます。混同注意:ありません。
- 5. 腎臓はソラマメのような形をしており、表面は滑らかで、内部には皮質や髄質、腎盂などの特徴的な構造が見られます。画像に示す臓器の形状や表面は腎臓とは異なります。正しくは:画像に示す臓器は脾臓であり、腎臓は暗赤褐色で、表面は滑らか、内部は皮質と髄質に分かれています。選びやすい理由:腎臓も腹腔内の臓器であり、大きさや位置から混同する可能性はありますが、形状は異なります。混同注意:脾臓と腎臓はともに腹腔内の後腹膜に位置するため、位置的な知識から混同しやすいかもしれません。
国試ポイント
臓器の肉眼所見を正しく識別できるかどうかが問われています。特に、主要な臓器の形状、色調、表面の質感などの基本的な特徴を把握していることが重要です。
混同注意
脾臓は形状や色調が他の腹部臓器(特に肝臓や腎臓の一部)と混同されやすいことがあります。しかし、大きさや特徴的な形態の違いを理解していれば識別可能です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た場合、各臓器の肉眼的な正常像だけでなく、主要な病変(腫瘍、炎症、変性など)による変化の肉眼所見も識別できるかが問われる可能性があります。また、画像診断における臓器の同定能力も重要です。
関連知識
脾臓の機能(赤血球の破壊、免疫機能)、解剖学的位置(左上腹部)、脾腫の原因(肝硬変、白血病など)についても関連知識として押さえておく必要があります。