Papanicolaou染色標本における扁平上皮癌の細胞学的特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
パパニコロウ染色では、扁平上皮癌細胞、特に角化を伴うものでは、細胞質にケラチン(角質)が多く含まれるため、光輝性のある黄色からオレンジ色の細胞質を呈することが重要な細胞学的特徴とされています。これは、扁平上皮細胞の分化成熟度を反映する所見です。
選択肢ごとの解説
- 1. 扁平上皮癌は通常、粘液産生を伴いません。粘液産生は腺癌の特徴です。正しくは:腺癌の細胞学的特徴である。選びやすい理由:上皮性の悪性腫瘍として、何らかの分泌機能を持つと誤解する可能性がある。混同注意:腺癌の特徴と混同しやすい。
- 2. 腺腔様構造は、腺組織由来の腫瘍である腺癌の特徴です。扁平上皮癌はこのような構造を形成しません。正しくは:腺癌の細胞学的特徴である。選びやすい理由:細胞が集まって何らかの構造を形成すること自体は癌細胞にも見られるが、腺腔様構造は特定の形態を指すため誤り。混同注意:腺癌の特徴と混同しやすい。
- 3. 正解。扁平上皮癌細胞は、多くの場合、細胞質のケラチン化(角化)により、パパニコロウ染色で光輝性のあるオレンジ色から黄色を呈することが特徴です。特に分化度の高い扁平上皮癌で顕著に見られます。選びやすい理由:特定の色調が癌の診断に結びつくことを知らないと選びにくいが、扁平上皮癌の重要な特徴である。混同注意:他の悪性腫瘍の細胞質所見や、良性細胞の色調と混同しないように注意が必要。
- 4. 立体的な重積性集塊は、主に腺癌などの腺系細胞に見られる特徴です。扁平上皮癌細胞は、浸潤性が高くても、しばしばシート状や単個で観察され、重積性集塊は典型的ではありません。正しくは:腺癌の細胞学的特徴である。選びやすい理由:癌細胞は不規則に増殖するため、重なり合うことも多いが、「立体的な重積性集塊」という特定の形態は腺癌に典型的である。混同注意:腺癌の特徴や、単に細胞が不規則に集合した状態と混同しやすい。
- 5. 微細な顆粒状クロマチンは、一般的に悪性腫瘍細胞(腺癌など)にも見られますが、特に悪性度が高く、核異型が著しい細胞でより粗大で不均一なクロマチンを呈することが多いです。扁平上皮癌に特異的な特徴ではありません。正しくは:悪性腫瘍に一般的に見られるクロマチンパターンであるが、扁平上皮癌に特異的ではない。扁平上皮癌ではより粗大で不均一なクロマチンが見られることも多い。選びやすい理由:悪性腫瘍細胞の核所見として、クロマチン異常は重要であるため、選びやすい。混同注意:一般的な癌細胞の核所見と、扁平上皮癌の特異的な特徴を混同しやすい。
国試ポイント
パパニコロウ染色標本における主要な悪性腫瘍(扁平上皮癌、腺癌など)の典型的な細胞学的特徴を識別できるかが問われています。特に細胞質の性状や色調は重要な鑑別点となります。
混同注意
腺癌や他の腫瘍の細胞学的特徴と扁平上皮癌の特徴を混同しやすい。特に粘液産生、腺腔様構造、立体的な重積性集塊は腺癌の典型的な所見であり、扁平上皮癌とは異なります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、腺癌やその他の悪性腫瘍のPapanicolaou染色における特徴と比較した問題が出題される可能性があるため、それぞれの腫瘍に特有の細胞学的所見(核の形態、クロマチン、核小体、細胞質の性状、色調、配置など)を詳細に確認する必要があります。
関連知識
Papanicolaou染色における細胞質の色調は、細胞の分化度や性状を反映します。好酸性(ピンク〜赤色)は成熟した細胞やケラチン化、好塩基性(青色)は未熟な細胞やタンパク質合成能の高い細胞に多く見られます。扁平上皮癌では、ケラチン化の程度により、好酸性、ときにオレンジ色や黄色を呈します。