網赤血球について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
網赤血球は赤血球の成熟過程における重要な段階であり、正染性赤芽球が核を失った直後の細胞です。この段階ではまだリボソームなどのRNAを含む細胞内小器官が残存しており、これらが網状構造として観察されることから「網赤血球」と名付けられています。これが成熟赤血球へと分化する途中の状態を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 網赤血球は成熟赤血球に比べて細胞質内のRNAなどの含有量が多く、水分量も多いため、比重は成熟赤血球よりも小さいです。正しくは:網赤血球は成熟赤血球より比重が小さい。選びやすい理由:細胞質にRNAなどの残存物が多いと、比重が高くなると誤解する可能性がある。混同注意:比重と細胞内物質の量の関係。
- 2. 網赤血球は脱核後の細胞であり、核DNAは含まれていません。リボ核酸(RNA)を多く含んでいます。正しくは:網赤血球は多量のリボ核酸(RNA)を含んでいる。選びやすい理由:細胞が未熟な段階であるため、核酸が多いと連想しやすいが、DNAとRNAを混同しやすい。混同注意:DNAとRNAの細胞内存在部位と機能、および赤血球成熟過程での核の変化。
- 3. 健常成人における網赤血球の割合は、総赤血球数の約0.5~1.5%程度が基準範囲です。正しくは:健常人では総赤血球数の約0.5~1.5%を占める。選びやすい理由:パーセンテージの数値は覚えているが、具体的な値ではなく桁数を誤解する可能性がある。混同注意:具体的な基準値の暗記不足。%表記と数値の誤解。
- 4. 正解。網赤血球は、正染性赤芽球が核を放出した(脱核した)直後の状態の赤血球です。まだ細胞質内にリボソームやミトコンドリアなどのRNA成分が残存しています。選びやすい理由:この過程は赤血球成熟の基本的な知識であり、正確に理解していれば選びやすい。
- 5. 網赤血球は生体内の骨髄で産生され、末梢血に出てくる未熟な赤血球です。採血後の試験管内では細胞分裂や成熟は進行せず、網赤血球の数が増加することはありません。正しくは:採血後の時間経過に従い、採血管内で網赤血球が増加することはない。選びやすい理由:生体内での動態と試験管内での変化を混同しやすい。生体内では網赤血球から成熟赤血球への変化があるため、試験管内でも何らかの変化が起こると誤解する可能性がある。混同注意:生体内での赤血球成熟と体外での細胞の安定性。
国試ポイント
網赤血球の基本的な性質、特にその定義(成熟段階)、細胞内物質(RNAの存在)、比重、そして健常人での基準範囲について問われています。赤血球の成熟過程における各段階の特徴を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
網赤血球が「未熟な赤血球」であることから、DNAを持つと誤解したり、比重が高いと誤解したりすることがあります。また、RNAとDNAの混同、生体内での動態と試験管内での変化の区別も重要な混同ポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、網赤血球の「機能的な特徴」(例:酸素運搬能)や「臨床的意義」(例:溶血性貧血や再生不良性貧血での変動)についても注意して確認する必要があります。
関連知識
赤血球の分化・成熟過程(造血幹細胞 → 骨髄系幹細胞 → 前赤芽球 → 好塩基性赤芽球 → 多染性赤芽球 → 正染性赤芽球 → 網赤血球 → 成熟赤血球)、網赤血球数の臨床的意義(骨髄の造血能評価)、網赤血球の染色法(超生体染色)。