巨大血小板がみられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
巨大血小板は、血小板のサイズが異常に大きくなる状態を指し、特定の遺伝性血小板疾患で観察されます。メイ・ヘグリン異常症は巨大血小板、好中球のドーレ様封入体、血小板減少を特徴とする常染色体優性遺伝疾患です。ベルナール・スリエ症候群は、GPIb-IX-V複合体の欠損により血小板が大型化し、巨大血小板と血小板減少を呈する常染色体劣性遺伝疾患です。両疾患ともに巨大血小板が顕著な特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. フォン・ヴィルブランド病は、フォン・ヴィルブランド因子(vWF)の量的・質的異常による遺伝性の出血性疾患です。血小板の機能異常と二次止血系の異常を呈しますが、巨大血小板の出現は主な特徴ではありません。正しくは:フォン・ヴィルブランド病は巨大血小板を伴いません。選びやすい理由:血小板機能異常を伴うため、血小板形態異常も関連があると感じるかもしれませんが、巨大血小板は特徴ではありません。混同注意:他の血小板異常症と混同しやすいですが、巨大血小板は特定の疾患群に見られます。
- 2. 正解。メイ・ヘグリン異常症は、骨髄異形成を伴う常染色体優性遺伝疾患で、巨大血小板、好中球にみられるドーレ様封入体(マイヘグリン小体)、そして血小板減少を特徴とします。巨大血小板はこの疾患の診断的特徴の一つです。混同注意:他の遺伝性血小板疾患と混同する可能性がありますが、メイ・ヘグリン異常症はドーレ様封入体と巨大血小板が診断の鍵となります。
- 3. 正解。ベルナール・スリエ症候群は、血小板膜糖タンパク質GPIb-IX-V複合体(フォン・ヴィルブランド因子受容体)の欠損または機能異常による常染色体劣性遺伝性の出血性疾患です。この複合体の異常により血小板が大型化し、巨大血小板と血小板減少が特徴的に見られます。混同注意:巨大血小板を伴う他の血小板疾患、特にGPIIb/IIIa複合体異常によるグランツマン病と混同する可能性がありますが、ベルナール・スリエ症候群はGPIb-IX-V複合体異常と巨大血小板が特徴です。
- 4. ウィスコット・アルドリッチ症候群は、X染色体連鎖劣性遺伝性の疾患で、湿疹、血小板減少、易感染性を主徴とします。この疾患では血小板はむしろ小型化(微小血小板)することが特徴であり、巨大血小板は見られません。正しくは:ウィスコット・アルドリッチ症候群では、巨大血小板ではなく微小血小板が特徴です。選びやすい理由:血小板減少を伴うため、形態異常も疑われるかもしれませんが、この疾患では小型血小板が特徴です。混同注意:他の血小板減少症と混同しやすいですが、ウィスコット・アルドリッチ症候群の血小板は小型であることがポイントです。
- 5. チェディアック・ヒガシ症候群は、ライソゾーム機能不全による常染色体劣性遺伝性の疾患で、白血球(好中球、リンパ球など)やメラノサイト、血小板に巨大な顆粒が見られるのが特徴です。血小板に巨大な顆粒は見られますが、血小板自体が巨大化するわけではありません(血小板の機能異常は生じます)。正しくは:チェディアック・ヒガシ症候群では、血小板の巨大顆粒が特徴ですが、血小板自体の巨大化は主ではありません。選びやすい理由:「巨大な顆粒」という言葉から「巨大血小板」を連想しやすいですが、形態異常の対象が異なります。混同注意:白血球や血小板に見られる「巨大な構造物」という点で、巨大血小板と混同しやすいですが、巨大なのは血小板の顆粒であり、血小板そのものではありません。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験では、特定の血液疾患の形態学的特徴(特に異常な細胞や顆粒の有無、サイズの変化)を問う問題が頻出します。特に、血小板に関する疾患では、巨大血小板、微小血小板、血小板減少、機能異常など、疾患ごとの特徴を正確に理解しておく必要があります。遺伝性疾患とその関連する検査所見は重要なポイントです。
混同注意
巨大血小板を伴う疾患と、微小血小板を伴う疾患(例: ウィスコット・アルドリッチ症候群)や、血小板内に巨大な顆粒を伴う疾患(例: チェディアック・ヒガシ症候群)との区別が混同しやすいです。また、血小板の機能異常を伴うが形態変化が限定的な疾患(例: フォン・ヴィルブランド病、グランツマン病)も注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各血小板関連疾患における血小板の形態(巨大、微小、正常)、数(減少、増加)、および機能(接着、凝集)の異常を正確に判断できるよう、それぞれの特徴を整理して学習する必要があります。特に、末梢血塗抹標本で観察される特徴的な所見に注目し、それを疾患と結びつける力を養うことが重要です。
関連知識
メイ・ヘグリン異常症では、MYH9遺伝子の変異が関与し、この遺伝子はミオシン重鎖の一部をコードしています。ベルナール・スリエ症候群はGPIbα遺伝子などの変異によるものです。これらの疾患は、血小板の形態だけでなく機能にも影響を与え、出血傾向を呈します。診断には、末梢血塗抹標本の観察に加え、血小板機能検査(アグリゲーション能、フローサイトメトリーによる表面抗原解析など)が用いられます。