末梢血の好酸球減少がみられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Cushing症候群は、副腎皮質ステロイドホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌されることで生じる病態です。コルチゾールは、好酸球の骨髄からの放出抑制、末梢血からの組織移行促進、アポトーシス促進などの作用により、末梢血中の好酸球数を減少させます。これに対し、気管支喘息、アニサキス症、Churg-Strauss症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症はいずれも好酸球が病態に関与し、末梢血好酸球数の増加をきたす疾患です。
選択肢ごとの解説
- 1. 気管支喘息は、アレルギー反応によって引き起こされる疾患であり、好酸球性炎症が病態の一部を形成するため、末梢血好酸球数は増加傾向を示します。正しくは:気管支喘息では末梢血好酸球数は増加傾向を示します。選びやすい理由:アレルギー疾患として一般的なため、他の選択肢との関連が想起されにくい可能性があります。混同注意:好酸球増加を伴う他のアレルギー疾患や寄生虫感染症と混同しやすいです。
- 2. アニサキス症は寄生虫感染症であり、寄生虫に対する免疫応答として好酸球が活性化・増加するため、末梢血好酸球数は増加します。正しくは:アニサキス症では末梢血好酸球数は増加します。選びやすい理由:寄生虫感染症は好酸球増加の代表的な原因であるため、知識があれば誤りにくいですが、一般的な症状とは異なる観点から問われていると錯覚するかもしれません。混同注意:他の寄生虫感染症やアレルギー疾患による好酸球増加と混同しやすいです。
- 3. 正解。Cushing症候群は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌される病態です。コルチゾールには好酸球数を減少させる作用(好酸球減少作用)があるため、末梢血好酸球数は減少します。
- 4. Churg-Strauss症候群(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、EGPA)は、好酸球性炎症と血管炎を特徴とする疾患であり、末梢血好酸球数は著しく増加します。正しくは:Churg-Strauss症候群では末梢血好酸球数は著しく増加します。選びやすい理由:まれな疾患であるため、特徴を曖昧に覚えていたり、他の血管炎と混同したりする可能性があります。混同注意:他の好酸球性疾患や血管炎と混同しやすいです。
- 5. アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)は、アスペルギルスに対するアレルギー反応によって引き起こされる疾患であり、強い好酸球性炎症を伴うため、末梢血好酸球数は増加します。正しくは:アレルギー性気管支肺アスペルギルス症では末梢血好酸球数は増加します。選びやすい理由:真菌感染症という点が強調されがちですが、本症の病態はアレルギー反応主体であり、好酸球増加を伴います。混同注意:単なるアスペルギルス感染症(非アレルギー性)や他の真菌症、他のアレルギー性肺疾患と混同しやすいです。
国試ポイント
好酸球数の変動に関わる疾患、特に好酸球減少をきたす原因について正確な知識が問われています。アレルギー疾患や寄生虫感染症では好酸球が増加するという基本知識と対比して、ステロイド関連の病態では好酸球が減少するという理解が重要です。
混同注意
好酸球増加をきたす典型的な疾患(アレルギー、寄生虫感染、膠原病の一部)と、好酸球減少をきたす疾患(ステロイド過剰、ストレス、急性細菌感染症)の区別が曖昧になっていると誤答しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず各疾患の病態生理を思い出し、特に好酸球がどの免疫応答に関わるかを判断します。ステロイドの作用機序が好酸球数にどう影響するかを重点的に確認しましょう。
関連知識
好酸球増多の代表的な原因:寄生虫感染症、アレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)、薬剤アレルギー、好酸球性胃腸炎、好酸球性肺炎、一部の血液疾患(慢性骨髄性白血病、好酸球性白血病)、副腎皮質機能低下症(Addison病)。 好酸球減少の代表的な原因:Cushing症候群、副腎皮質ステロイド薬投与、急性細菌感染症、全身性ストレス(外傷、手術など)。