ビリルビンで誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
抱合型ビリルビンは水溶性であるため、主に遊離型で血中を循環し、直接肝臓から胆汁中へ排泄される。アルブミンと強く結合するのは非抱合型ビリルビン(間接ビリルビン)である。シャントビリルビンは、無効造血や肝臓でのヘム代謝によって生成される非抱合型ビリルビンを指す用語であり、抱合型ビリルビンがアルブミンと結合してシャントビリルビンになるという記述は誤りである。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しい。非抱合型ビリルビン(間接ビリルビン)は脂溶性で水溶性が低いため、血液中ではアルブミンと結合して運搬される。誤っている記述を選ぶ問題なので、これは正答ではない。
- 2. この記述は正しい。非抱合型ビリルビンは脂溶性であるため細胞膜を容易に通過し、高濃度になると特に脳神経細胞に対して細胞毒性を示すことがある(例:核黄疸)。誤っている記述を選ぶ問題なので、これは正答ではない。
- 3. この記述は正しい。生理的な濃度において、ビリルビンは強力な抗酸化物質として働き、活性酸素種を除去し、細胞を酸化ストレスから保護する役割を持つことが知られている。誤っている記述を選ぶ問題なので、これは正答ではない。
- 4. この記述は正しい。間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)は水に溶けにくいため、ジアゾ試薬と反応させるためには、アルコールなどの反応促進剤(促進剤)を加えて水溶性を高める必要がある。直接ビリルビンは促進剤なしで反応する。誤っている記述を選ぶ問題なので、これは正答ではない。
- 5. 正解。この記述は誤っている。抱合型ビリルビンは水溶性であり、血中では主に遊離型で存在するか、ごく一部がδ-ビリルビンとしてアルブミンと共有結合する(これはシャントビリルビンとは異なる)。アルブミンと強く結合して血中を運搬されるのは非抱合型ビリルビンである。また、シャントビリルビンは、主に骨髄での無効造血や肝臓でのヘム代謝によって生成される非抱合型ビリルビンを指す用語であり、抱合型ビリルビンがアルブミンと結合したものではない。正しくは:非抱合型ビリルビンはアルブミンと結合して血中に運搬される。または、抱合型ビリルビンがアルブミンと共有結合したものはデルタビリルビンである。選びやすい理由:「ビリルビンがアルブミンと結合する」という基本的な知識は正しいが、結合するビリルビンの種類(非抱合型)と、シャントビリルビンという特定の用語の定義が誤って結びつけられている点で紛らわしい。デルタビリルビンとシャントビリルビンの概念が混同しやすい。混同注意:非抱合型ビリルビンと抱合型ビリルビンの違い、アルブミンとの結合に関する知識、シャントビリルビンの定義、デルタビリルビンの定義。
国試ポイント
ビリルビンの種類(非抱合型/抱合型)、水溶性、アルブミンとの結合の有無、細胞毒性、ジアゾ反応の原理、特定のビリルビン(シャントビリルビン、デルタビリルビン)の定義と特徴が問われる。各ビリルビン代謝物の生理学的特性と分析方法に関する知識が重要。
混同注意
非抱合型ビリルビンと抱合型ビリルビンの水溶性とアルブミン結合の有無。シャントビリルビンとデルタビリルビンの定義と生成経路。間接ビリルビン、直接ビリルビン、総ビリルビンの測定原理。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、非抱合型ビリルビンと抱合型ビリルビンの具体的な代謝経路、肝臓での処理、および各ビリルビンが上昇する疾患(例:溶血性貧血、ジルベール症候群、Crigler-Najjar症候群、Dubin-Johnson症候群、胆道閉塞など)との関連性を問う問題が予想される。また、新生児黄疸におけるビリルビンの種類や治療法の知識も重要となる。
関連知識
ヘム分解経路:ヘム → ビリベルジン → ビリルビン(非抱合型)。肝臓での抱合化:非抱合型ビリルビン → UDP-グルクロン酸転移酵素 → 抱合型ビリルビン(ビリルビングルクロン酸抱合体)。ビリルビンの生理的役割:抗酸化作用。ビリルビンの毒性:非抱合型ビリルビンによる核黄疸。測定法:ジアゾ反応(Ehrlich反応、Jendrassik-Gróf法)の原理。