Acinetobacter属で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
アシネトバクター属菌は、非運動性、ブドウ糖非発酵性のグラム陰性桿菌であり、偏性好気性でチトクロムオキシダーゼ反応が陰性であることが特徴です。これらの性状は、特に院内感染の原因菌として重要なアシネトバクター属菌の基本的な鑑別点であり、臨床検査技師国家試験で頻繁に問われる知識です。
選択肢ごとの解説
- 1. アシネトバクター属菌は鞭毛を持たず、運動性を示しません。正しくは:運動性がない。選びやすい理由:一般的なグラム陰性桿菌には運動性を示すものが多いので、混同しやすいかもしれません。混同注意:腸内細菌科細菌(例:大腸菌)の多くは運動性を示します。
- 2. アシネトバクター属菌はブドウ糖を酸化的に利用しますが、発酵はしません。これは非発酵菌の重要な特徴です。正しくは:ブドウ糖を発酵しない、またはブドウ糖を酸化的に利用する。選びやすい理由:多くの細菌がブドウ糖を利用するため、利用方法まで意識していないと、発酵と酸化の区別が曖昧になりがちです。混同注意:発酵性グラム陰性桿菌(例:腸内細菌科細菌)との混同。
- 3. 正解。アシネトバクター属菌は、酸素が存在する環境でのみ増殖できる偏性好気性菌です。
- 4. アシネトバクター属菌は、グラム染色で赤色に染まるグラム陰性桿菌です。しばしば球桿菌(ココバチルス)形態をとります。正しくは:グラム陰性桿菌である。選びやすい理由:細菌のグラム染色性は基本的な分類項目ですが、属とグラム染色性の組み合わせを正確に覚えていないと誤りやすいです。混同注意:グラム陽性桿菌(例:枯草菌、Corynebacterium属など)。
- 5. 正解。アシネトバクター属菌はチトクロムオキシダーゼ酵素を持たないため、この検査で陰性となります。これは非発酵グラム陰性桿菌の鑑別において重要な特徴です。
国試ポイント
アシネトバクター属菌の基本的な性状(グラム染色性、運動性、ブドウ糖利用性、好気性、オキシダーゼ反応)について、正確な知識が問われています。特に、非発酵性グラム陰性桿菌としての特徴を他の菌種と比較して理解しているか、また複数の選択肢を選ばせる形式で細かい性状まで正確に覚えているかを確認しています。
混同注意
Pseudomonas属菌(オキシダーゼ陽性、偏性好気性、非発酵グラム陰性桿菌)や、Enterobacteriaceae(腸内細菌科細菌:発酵性グラム陰性桿菌、オキシダーゼ陰性、通性嫌気性)と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、アシネトバクター属菌の薬剤耐性(特に多剤耐性アシネトバクター:MDRAB/XDRAB)や、他の主要な非発酵グラム陰性桿菌(Pseudomonas属、Stenotrophomonas属など)との鑑別を問う問題が出ると予想されます。特定の培地での発育性状や、具体的な糖の酸化・発酵試験結果を提示して鑑別させる形式も考えられます。
関連知識
非発酵グラム陰性桿菌にはアシネトバクター属の他、シュードモナス属(緑膿菌など)、ステノトロフォモナス属、バークホルデリア属などがあり、それぞれの鑑別ポイント(特にオキシダーゼ反応、運動性、糖の利用性)を理解しておく必要があります。また、これらの菌種は院内感染や薬剤耐性菌としても重要であるため、その疫学的な知識も関連します。