炎症性サイトカインはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
インターロイキン-6 (IL-6)と腫瘍壊死因子-α (TNF-α)は、全身性炎症反応や局所炎症反応を強力に誘導・促進する代表的な炎症性サイトカインです。IL-3は造血因子、IL-4はアレルギー反応や抗炎症作用、IL-10は強力な抗炎症作用を持つサイトカインであり、炎症性サイトカインとは異なる機能を持っています。
選択肢ごとの解説
- 1. IL-3は造血幹細胞の増殖・分化を促進するサイトカインであり、炎症性サイトカインではありません。正しくは:IL-3は造血因子の一つです。選びやすい理由:サイトカインの名称が似ているため、機能が混同されやすいです。混同注意:他のインターロイキン類、特に炎症に関わるもの。
- 2. IL-4は主にB細胞の活性化やIgE産生促進、Th2細胞の分化誘導に関与する抗炎症性・アレルギー性サイトカインです。炎症を抑制する働きがあります。正しくは:IL-4は抗炎症作用やアレルギー反応に関与するサイトカインです。選びやすい理由:インターロイキンという名称から炎症に関わると誤解しやすいです。特に喘息などのアレルギー疾患では炎症が見られるため、混同されることがあります。混同注意:IL-1β, IL-6, TNF-αなどの炎症性サイトカイン。
- 3. 正解。IL-6は急性期反応を誘導し、発熱やCRP産生促進、リンパ球・血小板増加など全身性の炎症反応に深く関与する主要な炎症性サイトカインです。選びやすい理由:他のインターロイキンと比較して、その炎症性作用の強さが認識されていない場合に迷う可能性があります。混同注意:IL-10など、抗炎症作用を持つインターロイキン。
- 4. IL-10はT細胞やマクロファージからのサイトカイン産生を抑制し、免疫応答を鎮静化させる働きを持つ抗炎症性サイトカインです。正しくは:IL-10は抗炎症作用を持つサイトカインです。選びやすい理由:IL-10は「炎症」という言葉に関連して、炎症を抑制する側面があることを想起させるため、正解と誤解されることがあります。混同注意:IL-6やTNF-αのような炎症を促進するサイトカイン。
- 5. 正解。TNF-αはマクロファージなどから産生され、血管内皮細胞の活性化、炎症細胞の浸潤促進、発熱など、急性および慢性炎症反応の中心的な役割を果たす強力な炎症性サイトカインです。選びやすい理由:名称から「壊死」という言葉に注目しすぎると、炎症との関連性を見誤る可能性がありますが、広く知られた炎症性サイトカインの一つです。混同注意:TGF-βなどの組織修復や免疫抑制に関わるサイトカイン。
国試ポイント
炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインの代表例を正確に区別し、それぞれの主要な働きを理解しているかが問われています。特に、インターロイキンの中には炎症を促進するものと抑制するものがあるため、個々の特性を把握しておくことが重要です。
混同注意
炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカイン、あるいは造血因子やアレルギー関連サイトカインの区別が曖昧になりやすい。特にIL-4とIL-10は炎症を抑制する機能があるため、IL-6やTNF-αといった炎症促進性サイトカインと混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、主要な炎症性サイトカイン(IL-1, IL-6, TNF-α)と抗炎症性サイトカイン(IL-4, IL-10, TGF-β)を区別できるかを確認します。さらに、各サイトカインが関わる疾患(例:IL-6と関節リウマチ、TNF-αとクローン病)についても理解しているかどうかが問われる可能性があります。
関連知識
IL-1βも主要な炎症性サイトカインの一つ。炎症反応における各サイトカインの役割、急性期反応との関連、サイトカインネットワークの概念。サイトカインの種類と産生細胞、標的細胞、生理作用。各疾患におけるサイトカインの病態生理学的意義。