肝前性黄疸の原因はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
肝前性黄疸は、肝臓がビリルビンを処理する前の段階で、過剰なビリルビンが生成されることによって起こります。溶血性貧血では、赤血球が破壊されすぎてヘムが大量に遊離し、結果として未抱合型(間接)ビリルビンが肝臓の処理能力を超えて産生されるため、肝前性黄疸の主要な原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 胆管癌は胆汁の流れが物理的に阻害されることで黄疸を引き起こすため、肝後性黄疸に分類されます。正しくは:胆管癌は肝後性黄疸の原因となります。選びやすい理由:「癌」という重篤な病態から黄疸が生じると考えやすいですが、黄疸の分類(肝前性、肝性、肝後性)を理解しているかが問われます。混同注意:肝性や肝後性黄疸の原因疾患と混同しやすいです。
- 2. 正解。溶血性貧血では赤血球が過度に破壊され、多量の間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)が生成されます。肝臓でのビリルビン処理能力を超えてしまうため、肝臓に到達する前の段階で血中ビリルビン濃度が上昇し、肝前性黄疸を来します。
- 3. 薬剤性肝障害は、肝臓そのものの機能が障害されることでビリルビンの抱合や排泄が適切に行われなくなり、肝性黄疸の原因となります。正しくは:薬剤性肝障害は肝性黄疸の原因となります。選びやすい理由:肝臓に関連する病態であるため、肝前性と間違えやすいですが、障害部位が肝臓そのものです。混同注意:肝性黄疸の原因疾患と混同しやすいです。
- 4. アルコール性肝障害は肝臓の実質細胞が障害されることで、ビリルビンの取り込み、抱合、排泄といった一連の処理能力が低下し、肝性黄疸の原因となります。正しくは:アルコール性肝障害は肝性黄疸の原因となります。選びやすい理由:一般的な肝臓の病気として認識されているため、黄疸の原因と結びつけやすいですが、肝臓そのものの障害です。混同注意:肝性黄疸の原因疾患と混同しやすいです。
- 5. Dubin-Johnson症候群は、肝細胞から胆汁中への抱合型ビリルビン排泄に障害がある遺伝性疾患であり、肝細胞の機能異常によるものであるため、肝性黄疸(特に抱合型ビリルビン優位な黄疸)に分類されます。正しくは:Dubin-Johnson症候群は肝性黄疸の原因となります。選びやすい理由:比較的珍しい疾患名であり、ビリルビン代謝異常と関連が深いため、知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:Gilbert症候群(肝前性)、Crigler-Najjar症候群(肝性だが間接ビリルビン優位)など、他の遺伝性ビリルビン代謝異常症と混同しやすいです。
国試ポイント
黄疸の3つの分類(肝前性、肝性、肝後性)とその代表的な原因疾患、および各分類で優位となるビリルビンの種類(間接型か直接型か)を正確に理解しているかが問われる基本的な問題です。特に、溶血性貧血が肝前性黄疸の代表例であることを覚えている必要があります。
混同注意
肝前性黄疸の原因(溶血性貧血、Gilber症候群など)、肝性黄疸の原因(急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、薬剤性肝障害、Dubin-Johnson症候群など)、肝後性黄疸の原因(胆道閉塞、胆石、胆管癌、膵頭部癌など)が混同しやすいです。また、各病態で優位となるビリルビンの種類(間接型、直接型)も重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、黄疸の原因疾患だけでなく、血中ビリルビン分画(間接/直接ビリルビンの比率)や尿検査所見(尿中ウロビリノーゲン、尿中ビリルビンの有無)と組み合わせて問われる可能性が高いです。
関連知識
ビリルビン代謝経路(ヘム→間接ビリルビン→肝臓への取り込み→抱合→直接ビリルビン→胆汁中への排泄)、黄疸の種類とビリルビン分画(間接優位 vs 直接優位)、および尿中ウロビリノーゲン・ビリルビンの変化。