Mycobacterium属で低温(30℃)での培養が必要なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
M. marinumは水中環境に生息し、ヒトにおいては皮膚病変を主として引き起こす抗酸菌です。この菌は比較的低い温度(28~32℃、特に30℃が最適)での発育を好む特徴があります。37℃では発育が極めて悪いか、全く発育しないため、臨床検体からの分離培養時には低温培養が必須となります。
選択肢ごとの解説
- 1. M. aviumは非結核性抗酸菌の一種で、通常は37℃でよく発育します。30℃での培養は必須ではありません。正しくは:M. aviumは37℃での培養で良好に発育します。選びやすい理由:非結核性抗酸菌であるため、特定の培養条件を思い浮かべやすいですが、低温培養は必須ではありません。混同注意:他の非結核性抗酸菌との鑑別を試みる際に、培養温度が論点になることはありますが、M. marinumのような厳密な低温要求性はありません。
- 2. M. intracellulareもM. aviumと同様に非結核性抗酸菌であり、一般的に37℃で良好に発育します。30℃での培養は必須ではありません。正しくは:M. intracellulareは37℃での培養で良好に発育します。選びやすい理由:M. aviumとM. intracellulareはMAC(Mycobacterium avium complex)として知られ、関連性が高いため、同様の培養条件を連想しやすいです。混同注意:M. aviumと混同しやすいですが、両者ともに低温培養は必須ではありません。
- 3. M. kansasiiは光発色性を示す非結核性抗酸菌で、標準的な37℃での培養で十分に発育します。低温培養は通常行われません。正しくは:M. kansasiiは37℃での培養で良好に発育します。選びやすい理由:非結核性抗酸菌であるため、特別な培養条件があるように感じるかもしれませんが、低温培養は一般的ではありません。混同注意:ラピッドグロワーとは異なる性質を持ちますが、M. marinumのように厳密な低温要求性はありません。
- 4. 正解。M. marinumは魚類や水中環境に生息する抗酸菌で、ヒトには皮膚感染症(水槽肉芽腫など)を引き起こします。この菌は体温より低い環境を好み、最適な発育温度は28~32℃、特に30℃が推奨されます。37℃では発育が抑制されます。
- 5. M. tuberculosis complex(結核菌群)はヒトの主要な病原菌であり、ヒトの体温に近い37℃での培養が最適とされています。30℃では発育が非常に遅いか、ほとんど発育しません。正しくは:M. tuberculosis complexは37℃での培養が最適です。選びやすい理由:最も有名な抗酸菌であり、選択肢として目を引きますが、培養温度の特性は異なります。混同注意:他の非結核性抗酸菌との培養温度の違いを理解しているかが問われます。
国試ポイント
抗酸菌の培養温度に関する知識、特に特定の菌種が示す特殊な培養条件(至適温度)を理解しているかを問う問題です。M. marinumの低温要求性は典型的な知識として頻出します。
混同注意
一般的な抗酸菌(M. tuberculosis complexや多くの非結核性抗酸菌)が37℃を至適とする中で、M. marinumが低温を好む点が混同しやすいです。また、他の非結核性抗酸菌の多くが37℃で発育することとの区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、M. marinumの病原性(水槽肉芽腫)や、M. ulceransのような他の低温好性抗酸菌との比較、あるいは37℃でよく発育する抗酸菌との違いを問う問題が考えられます。また、培養温度以外の培養条件(培地、CO2濃度など)を問う可能性もあります。
関連知識
M. ulcerans(ブルリ潰瘍の原因菌)も低温を好む抗酸菌として知られます(至適温度30-32℃)。また、光発色性や非発色性などの発育形態や、増殖速度(ラピッドグロワーとスローグロワー)といった抗酸菌の鑑別ポイントと関連付けて学習すると効果的です。