心電図波形(別冊No. 3)を別に示す。試みるべき対処法として正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
提示された心電図波形は、基線の不規則なゆらぎと、その上に重なる不規則で細かいスパイク状のノイズ(高周波成分)が特徴です。これは患者の体の動きや筋肉の収縮によって生じる筋電図混入(筋肉の電気活動)と典型的に一致します。この場合、患者に力を抜いてリラックスしてもらうことが最も適切な対処法です。
選択肢ごとの解説
- 1. この波形は筋電図混入によるものであり、アースの不備による交流障害とは異なります。交流障害では規則的なノイズが認められます。正しくは:交流障害のような規則的なノイズが認められる場合にアース接続を確認する。選びやすい理由:ノイズの一種なので、電気的な問題(アース不良)を疑う可能性がある。混同注意:交流障害による波形と筋電図混入による波形。
- 2. 正解。提示された心電図波形は基線が不規則に揺れ、細かいスパイク状のノイズが多数混入しています。これは、患者さんの体動や筋収縮によって生じる筋電図混入の特徴的な所見です。対処法として、患者にリラックスして筋力を抜くよう促すことが最も適切です。
- 3. 電動ベッドの電源などからのノイズは、主に交流障害として規則的な波形を示しますが、本件の不規則なノイズとは異なります。正しくは:交流障害が疑われる場合に電動ベッドの電源を抜くことを検討する。選びやすい理由:電気製品が原因のノイズと考える可能性がある。混同注意:交流障害による波形と筋電図混入による波形。
- 4. 電極の接触不良やコードの断線は、基線の動揺や完全に波形が途切れるなどの症状を引き起こしますが、この波形に見られるような不規則な細かいノイズとは異なります。また、誘導コードの接続不良はリードオフなどのアラームで示されることが多いです。正しくは:リードオフや基線動揺が大きい場合、電極やコードの接続を確認する。選びやすい理由:ノイズの原因として接触不良も考えられるため。混同注意:電極接触不良による基線動揺やリードオフと、筋電図混入。
- 5. 呼吸による基線動揺は、呼吸性変動として比較的緩やかな基線の上下動を示すことがありますが、この波形に見られるような細かい不規則なノイズとは異なります。また、安静時の心電図検査で患者に呼吸を止めることを要求することは稀です。正しくは:呼吸性変動による基線動揺が著しい場合に、一時的な呼吸停止を指示することも選択肢となり得るが、基本的には深呼吸を避けるように指示する。選びやすい理由:体動の一種として呼吸もノイズの原因と考える可能性があるため。混同注意:呼吸性変動による基線動揺と筋電図混入。
国試ポイント
心電図波形からノイズの原因を特定し、その適切な対処法を選択できるかが問われています。特に、筋電図混入、交流障害、呼吸性変動、電極接触不良によるノイズ波形の違いを理解していることが重要です。
混同注意
筋電図混入と交流障害、呼吸性変動によるノイズ波形の見分け方。
次に同じ論点が出たら
今後同様の画像問題が出題された場合、まず波形全体を観察し、ノイズの規則性や周波数、形状(スパイク状か、緩やかか、規則的か)に着目してノイズの種類を判断する。その上で、各ノイズに対する標準的な対処法を想起する。
関連知識
心電図のノイズの種類(筋電図混入、交流障害、基線動揺)、それぞれの波形の特徴と原因、および対処法。電極の正しい貼付位置と方法。心電図検査時の注意事項。