連続波ドプラ法で三尖弁逆流の最大流速が3.0m/sであった。推定される収縮期肺動脈圧〔mmHg〕はどれか。ただし、右房圧を5mmHgとする。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
連続波ドプラ法で計測された三尖弁逆流の最大流速から、修正ベルヌーイの式(圧較差 = 4 × V^2)を用いて右室と右房の収縮期圧較差を計算します。流速3.0m/sを式に代入すると、圧較差は 4 × (3.0)^2 = 4 × 9 = 36mmHgとなります。収縮期肺動脈圧は、この圧較差に右房圧を加えることで推定できます。右房圧が5mmHgとされているため、推定される収縮期肺動脈圧は 36mmHg + 5mmHg = 41mmHgとなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 誤り。流速の2乗と右房圧のみを考慮した計算で、定数『4』が抜けているか、あるいは定数を『2』と誤って計算している可能性が高い。正しくは:4V^2 + RAP = 4 × 3^2 + 5 = 41mmHg選びやすい理由:V^2 + RAP = 3^2 + 5 = 9 + 5 = 14や、2V^2 + RAP = 2 × 3^2 + 5 = 18 + 5 = 23などと誤計算すると、近い値になるため。混同注意:修正ベルヌーイの式の定数『4』を忘れる、または『2』と誤解する。
- 2. 誤り。収縮期肺動脈圧 = 4V^2 - 右房圧 と、右房圧を誤って減算しているか、計算ミスがある。右房圧を引くと29mmHgとなり、選択肢2とは異なるため、他の計算ミスも考えられる。正しくは:4V^2 + RAP = 4 × 3^2 + 5 = 41mmHg選びやすい理由:計算ミスや式を混同した場合に得られる数字が近いため。混同注意:修正ベルヌーイの式を『4V^2』ではなく『4V^2 + 右房圧』と捉え、さらに右房圧を引いてしまうなど。
- 3. 誤り。これは圧較差(36mmHg)のみであり、右房圧が考慮されていない。正しくは:4V^2 + RAP = 4 × 3^2 + 5 = 41mmHg選びやすい理由:修正ベルヌーイの式で計算される圧較差が36mmHgであるため、これをそのまま収縮期肺動脈圧と誤解しやすい。混同注意:圧較差と推定肺動脈圧の区別。右房圧を加えることを忘れる。
- 4. 正解。正しい。修正ベルヌーイの式により圧較差は 4 × (3.0)^2 = 36mmHg。これに右房圧5mmHgを加算し、36mmHg + 5mmHg = 41mmHg となる。選びやすい理由:計算過程が正しいから。
- 5. 誤り。計算ミスによるもの。例えば、4V^2を3.0ではなく3.5などで計算したり、右房圧を過大に見積もった可能性。正しくは:4V^2 + RAP = 4 × 3^2 + 5 = 41mmHg選びやすい理由:計算過程で小数点以下の四捨五入を誤るか、あるいは他の数値で計算した場合に得られる数字が近いため。混同注意:単純な計算ミス。
国試ポイント
三尖弁逆流の最大流速から収縮期肺動脈圧を推定する修正ベルヌーイの式の適用方法を覚える。式は『圧較差 = 4V^2』。
混同注意
修正ベルヌーイの式を『2V^2』と誤って覚えてしまうこと。また、右房圧を加えるのを忘れること。
次に同じ論点が出たら
ドプラ流速から圧較差を求める問題では、まず修正ベルヌーイの式(4V^2)を正確に適用できているかを確認する。次に、最終的に求めたい圧(この場合は収縮期肺動脈圧)がどこであるかを理解し、それに必要な右房圧を加えるなどの補正を忘れていないかを確認する。
関連知識
肺高血圧症の診断基準(収縮期肺動脈圧 25mmHg以上)。肺動脈弁逆流の場合は拡張期肺動脈圧の推定に用いられる。右房圧の推定には下大静脈径や呼吸性変動を用いる。