リポ蛋白分析法として用いないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ガスクロマトグラフィーは、揮発性物質の分離分析に特化した手法であり、リポタンパク質のような高分子の脂質-タンパク質複合体そのものを直接分析するのには適していません。リポタンパク質を構成する特定の脂質成分(例:脂肪酸)を分析する際に、誘導体化してから用いられることはありますが、リポタンパク質分析法としては一般的ではありません。他の選択肢はすべてリポタンパク質の分離や定量に広く用いられる標準的な分析法です。
選択肢ごとの解説
- 1. 沈殿法は、特定のリポタンパク質(例:LDLやVLDL)を選択的に沈殿させ、その量を測定するために広く用いられる分析法です。正しくは:リポタンパク質分析に用いられます。選びやすい理由:一般的な分析法として知られているため、正しい選択肢に見えるかもしれません。混同注意:他のリポタンパク質分析法との関連性。
- 2. HPLCは、リポタンパク質のサブクラス分離や、リポタンパク質に含まれる脂質成分(コレステロールエステル、トリグリセリドなど)の定性・定量分析に利用されます。正しくは:リポタンパク質分析に用いられます。選びやすい理由:分離能が高く、詳細な分析に用いられるため、リポタンパク質分析法として適切であると判断しやすいです。混同注意:ガスクロマトグラフィーとの区別。
- 3. 電気泳動法は、リポタンパク質をその電荷と大きさに基づいて分離し、主要なリポタンパク質分画(α、pre-β、βリポタンパク質など)を同定・定量する標準的な分析法です。正しくは:リポタンパク質分析に用いられます。選びやすい理由:血清タンパク質の分析法として広く知られているため、リポタンパク質にも適用されると理解しやすいです。混同注意:タンパク質電気泳動との関連性。
- 4. 超遠心分離法は、リポタンパク質をその密度に基づいて分画する古典的かつ標準的な方法であり、リポタンパク質の種類(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDLなど)を分離・定量するために不可欠です。正しくは:リポタンパク質分析に用いられます。選びやすい理由:リポタンパク質の定義(密度に基づく分類)と密接に関連しているため、主要な分析法であると理解しやすいです。混同注意:通常の遠心分離との違い。
- 5. 正解。ガスクロマトグラフィーは、主に揮発性の高い化合物の分離・分析に用いられる手法です。リポタンパク質そのものは非揮発性の高分子複合体であるため、直接ガスクロマトグラフィーで分析することはできません。リポタンパク質を構成する脂肪酸などの低分子脂質成分を誘導体化して分析する際には用いられますが、リポタンパク質『分析法』としては適切ではありません。選びやすい理由:クロマトグラフィーの一種であり、脂質関連の分析に用いられることがあるため、リポタンパク質分析にも利用できると誤解しやすいです。混同注意:HPLCや質量分析との併用、または脂質成分の分析とリポタンパク質そのものの分析の混同。
国試ポイント
リポタンパク質の主要な分析方法とその原理を正確に理解しているかを問う問題です。特に、それぞれの分析法がどのような特性を持つ物質の分析に適しているかを知ることが重要です。ガスクロマトグラフィーが脂質そのものの分析には使えても、リポタンパク質『複合体』の分析には適さないという点がポイントです。
混同注意
HPLCとGCの区別、および脂質成分の分析とリポタンパク質複合体全体の分析の区別が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、リポタンパク質の各分画(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL)の主要な測定法と、それぞれの測定法で何が評価できるかを問う問題が考えられます。
関連知識
リポタンパク質の分類(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL)とその物理化学的特性(密度、電荷、大きさ)、各種クロマトグラフィーの原理、電気泳動の原理、超遠心分離の原理、沈殿法の原理。