Ⅲ型アレルギーに分類される疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
全身性エリテマトーデス(SLE)は、自身の核成分などを抗原として、それに対する自己抗体と結合してできた免疫複合体が全身の様々な組織(腎臓、皮膚、関節など)に沈着し、炎症反応を引き起こす代表的なIII型アレルギー疾患です。この免疫複合体の沈着が、多様な症状の原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 花粉症は、IgE抗体が関与し、肥満細胞や好塩基球からのヒスタミンなどの化学伝達物質の放出によって引き起こされる即時型アレルギー(I型アレルギー)です。正しくは:I型アレルギーの代表例です。I型アレルギーは、IgE抗体がアレルゲンと結合することで肥満細胞や好塩基球が脱顆粒し、ヒスタミンなどの生理活性物質を放出し、数分から数時間以内に症状が現れます。選びやすい理由:一般的なアレルギー疾患として非常に有名であるため、深く考えずに選択してしまう可能性があります。混同注意:各アレルギー型の病態メカニズム、特にIgE抗体が関わるI型と免疫複合体が関わるIII型の違いを混同しやすいです。
- 2. 重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生され、この受容体を傷害したり機能障害を起こしたりする、細胞傷害型アレルギー(II型アレルギー)です。正しくは:II型アレルギーの代表例です。II型アレルギーは、自己抗体が細胞表面の抗原や組織の構成成分に結合することで、その細胞や組織が破壊される病態です。選びやすい理由:自己免疫疾患の一つであり、免疫系の異常が関わるため、アレルギー分類のどれかに当てはめようとして誤って選択する可能性があります。混同注意:抗体が関与するという点でIII型と共通しますが、抗原が可溶性か細胞結合性か、そして免疫複合体の形成の有無で区別する必要があります。
- 3. サルコイドーシスは、全身の様々な臓器に非乾酪性肉芽腫を形成する原因不明の疾患であり、通常アレルギー分類の典型例には含まれません。細胞性免疫の異常が関与すると考えられていますが、特定の型のアレルギーとは言い難いです。正しくは:サルコイドーシスはアレルギー疾患ではなく、病態としては細胞性免疫(IV型アレルギー)に類似する要素を持つ肉芽腫性疾患です。選びやすい理由:免疫系の異常が関わる疾患であるため、アレルギーの一種であると誤解してしまう可能性があります。混同注意:アレルギー分類の基本的な定義と、免疫系の異常が関わる他の疾患との区別が曖昧な場合に選択されやすいです。
- 4. 自己免疫性溶血性貧血は、赤血球膜上の抗原に対する自己抗体が結合し、赤血球が破壊される病態であり、細胞傷害型アレルギー(II型アレルギー)に分類されます。正しくは:II型アレルギーの代表例です。自己抗体が赤血球に結合し、補体活性化やマクロファージによる貪食を介して赤血球が破壊されます。選びやすい理由:「自己免疫性」という言葉から、全身性エリテマトーデス(SLE)のような免疫複合体が関わる疾患と混同する可能性があります。混同注意:抗体が細胞に直接作用して破壊するII型と、抗原抗体複合体が沈着して炎症を起こすIII型との違いを混同しやすいです。
- 5. 正解。全身性エリテマトーデス(SLE)は、核酸などの可溶性自己抗原と自己抗体が結合して免疫複合体を形成し、これが全身の血管壁や腎臓、関節などに沈着することで炎症や組織障害を引き起こす、典型的なIII型アレルギー疾患です。
国試ポイント
アレルギーの分類(I型からIV型)と、それぞれの型に属する代表的な疾患を正確に理解し、病態の中心となる免疫学的メカニズムを把握しているかが問われています。特にIII型アレルギーでは、免疫複合体の形成とその組織沈着がキーワードとなります。
混同注意
II型アレルギーとIII型アレルギーの区別が特に混同されやすいです。II型は細胞表面や組織に結合した抗原に対する抗体反応が主であり細胞傷害が直接的であるのに対し、III型は可溶性抗原と抗体による免疫複合体が形成され、それが組織に沈着して炎症を起こす点が異なります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題される場合、他のアレルギー型(I、II、IV型)に分類される代表的な疾患や、それぞれの病態機序に関わる主要な免疫細胞や分子(例:抗体クラス、T細胞の種類)について問われる可能性があります。各アレルギー型の代表疾患と、その病態を支配する免疫学的メカニズムを深く理解しておくことが重要です。
関連知識
I型アレルギー(即時型):IgE抗体、肥満細胞、ヒスタミン放出。例:気管支喘息、食物アレルギー。II型アレルギー(細胞傷害型):IgG/IgM抗体、細胞表面/組織抗原、補体活性化、ADCC。例:Goodpasture症候群、薬剤誘発性溶血性貧血。IV型アレルギー(遅延型):T細胞、マクロファージ、サイトカイン。例:接触皮膚炎、結核のツベルクリン反応、臓器移植拒絶反応。